なぶんけんブログ|奈良文化財研究所に関する様々な情報を発信します。

「塩」の話

「塩」の話

2013年12月  吉田兼好の『徒然草』に「塩」は何偏か?と聞かれた人が「土偏」と答えて笑われたという話があります。「しお」の漢字は正しくは「鹽」で、「塩」はもともと俗字でした。このエピソードは、鎌倉時代にはすでにこれが俗字だと知らない人もいたことを物語ります。  「塩」は現代の東アジアでも日本でし...

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『日本霊異記』を歩く

『日本霊異記』を歩く

2013年12月  ここ数年、月に1回の割合で、1日20㎞前後大和盆地を歩いています。アラフォー世代にさしかかり健康が気になりはじめた訳ではなく、薬師寺僧景戒(きょうかい)が、平安時代初めに編んだ日本最古の仏教説話集、『日本霊異記(にほんりょういき)』の注釈書を作る仕事にかかわり、説話の故地を訪れ、...

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平城京の塔の景観

平城京の塔の景観

2013年11月  近年、「景観」という言葉をよく耳にします。また、新しい文化財として、文化的景観というジャンルもできました。景観とは移り変わってゆくことに特徴がありますので、過去の景観を考える場合には、一体いつの景観なのかに注意する必要があります。  現在、奈良市役所には平城京の1/1,000模型...

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笵(はん)で押す

笵(はん)で押す

2013年10月  「判で押したような」というと、同じことの繰り返しで、変化のないさまのこと。この「判」とは、ハンコのことです。なるほど、ハンコを押したらいつも同じになりますね。  私たちが藤原京や平城京を発掘していると、屋根の軒端の一番低いところに使われた軒瓦がよく見つかります。軒瓦には蓮の花や唐...

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文字の書き方

文字の書き方

2013年10月  近年ではパソコンが普及し、鉛筆やペンを握る機会は減ってきました。ましてや、毛筆で文章を書く必要は少ない時代です。  歴史研究室では、お寺などに遺された、古い書物や文書を調査しています。それら毛筆の資料からは、文章の内容のみならず、文字の雰囲気・モノとしての特徴も感じ取ることが出来...

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無事に閉園いたしました

無事に閉園いたしました

みなさん、こんにちは。おかげさまで9月23日をもちまして、無事、平城京どうぶつえんは閉園いたしました。集められたどうぶつたちは、しばらくひっそりとした収蔵庫に収められ、次の出番に備えて充電期間に入ります。閉園後の翌週より、撤収作業に入りました。アーチの文字をベリベリっとはがし、看板を撤去し、ケースを...

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どうぶつえん閉園まで、残りわずか!

どうぶつえん閉園まで、残りわずか!

みなさん、こんにちは。 平城京どうぶつえん、閉園まで残すところあと4日となりました。 担当研究員は、10月下旬からはじまる展示準備に追われていたり、 どうぶつえんの撤収計画を立てたりと、展示終盤ならではの忙しさが押し寄せています。 しかし、あと5日でこのどうぶ...

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新しいどうぶつあそび 登場!!

新しいどうぶつあそび 登場!!

みなさん、こんにちは。9月に入ってから、(甲子園が終わったから?)新聞やテレビの取材が相次いでいます。通常の企画展の時は、オープン前後にとりあげてもらうことが多いのですが、オープン後しばらくして客足が少なくなってきたときに、また取り上げていただけるなんて、うれしい限りです。今日は、今週から登場してい...

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モッカン博士の講座は笑いでいっぱいでした

モッカン博士の講座は笑いでいっぱいでした

みなさん、こんにちは。新学期が始まりましたね。平城京どうぶつえんでは、子供の声が少なくなり、少しさびしい気もします...。さて、先週末は最後のギャラリーイベント、「モッカン博士のおもしろどうぶつ講座」が行われました。いつものギャラリーイベントは、どちらかというと幼稚園児や小学校低学年のこどもたちであ...

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埋もれゆく近代の庭園

埋もれゆく近代の庭園

2013年9月  奈良時代、平城宮の東院に営まれた庭園や平城京左京三条二坊六坪の庭園、そして、阿弥陀浄土院の庭園などに、明らかなる端緒を示した日本の庭園文化は、平安時代において、現在の京都に確固たる基盤を成し、やがて、中世、近世を通じて日本全国に展開し、世界の中でも独特な「日本庭園」を育んできました...

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リサン、ド=シャルダンのあとを訪ねて

リサン、ド=シャルダンのあとを訪ねて

2013年9月  リサン(Emile Licent 1876-1952)とド=シャルダン(Pierre Teilhard de Chardin 1881-1955)は、ともにイエズス会のフランス人神父。解放前、中国各地で古生物、地質、考古の調査研究に活躍。リサンは中国旧石器の発見者(1920年甘粛省...

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ドキドキ博士のおもしろどうぶつ講座終了!

ドキドキ博士のおもしろどうぶつ講座終了!

みなさん、こんにちは。突然ですが、ラジオ出演のお知らせです。8月29日、NHK大阪放送局の関西ラジオワイドという番組内で、平城京どうぶつえんがとりあげられる予定です!17時半頃より、なんと展示会場から生中継なんです。展示の生中継ってどんな感じになるんでしょうね?担当研究員は現在風邪を引いて声がガラガ...

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平城京どうぶつえんのゆるキャラは?

平城京どうぶつえんのゆるキャラは?

みなさん、こんにちは。昨日は「平城京どうぶつえん」の取材を2本受けました。どちらもテレビ局で、来月中ごろに放送してくださるとのことです。会期の終盤で取り上げてくださるなんて、なかなか珍しいんじゃないでしょうか。でも、一つは会場から生中継、もう一つはスタジオに呼んでくださるそうですので、熱く宣伝させて...

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どうぶつかるた盛況でした!

どうぶつかるた盛況でした!

みなさん、こんにちは。昨日の日曜日で、平城京どうぶつえんは会期の折り返し地点を過ぎました。担当者としては、あとまだ半分もあるのか!、というのが正直な印象です。というのも、オープンしたのが初夏。ここのところ、まだまだ暑いとはいえ、夕方の空気は少しずつ秋に向かっている感じではないですか?平城京どうぶつえ...

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親子ワークショップ「どうぶつかるた」

親子ワークショップ「どうぶつかるた」

みなさん、こんにちは。 今週はお盆を迎えますね。 資料館はお盆でもずーっと通常通りオープンしていますので、 帰省で関西に帰ってこられた方は、 燈花会や奈良大文字のついでに 近鉄電車で2駅となりの大和西大寺駅で降りて、 平城京どうぶつえんにお立ち寄りくださいね! さて、次回のギャラリーイベントは 前回...

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ホネホネ博士のおもしろどうぶつ講座終了!

ホネホネ博士のおもしろどうぶつ講座終了!

みなさん、こんにちは。先日立秋を迎えたとはいえ、今日も暑いですね~。そんな中、先週の金曜日に平城宮跡資料館ではホットなイベント「ホネホネ博士のおもしろどうぶつ講座」がおこなわれました。ギャラリーイベントというと、基本的には会場に並んでいる展示物の解説、という意味合いが強いかとおもいますが、ホネホネ博...

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ホネホネ博士のおもしろどうぶつ講座予告!

ホネホネ博士のおもしろどうぶつ講座予告!

みなさん、こんにちは。先週末から研究所の冷房が壊れていたので、汗だくの毎日でした。この状況...、下敷きでパタパタあおぎながら授業を受けた学生時代を思い出しますね。資料館の方はずーっと冷えていますのでご安心ください!今回は今週金曜日のギャラリーイベントについて紹介いたします。3回目となる今回は「ホネ...

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人面土器ふくわらい

人面土器ふくわらい

みなさん、こんにちは。前回の記事に引き続きまして、今週火曜日から新しく登場したどうぶつあそびのご紹介を。その名も「人面土器ふくわらい」。(人面土器のどこがどうぶつなの?って声も聞こえそうですね。天平びとのお客さんが平城京どうぶつえんに集まっているという設定なので、会場には人面土器がたくさん展示してあ...

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親子ワークショップ開催しました

親子ワークショップ開催しました

みなさん、こんにちは。先週の金曜日は、第2回ギャラリーイベント親子ワークショップ「どうぶつえほんをつくろう!」がおこなわれました。参加いただいたのは、子供22名、大人16名と、とてもたくさんの方でした。 内容は、展示しているどうぶつたちの写真シールを絵本の台紙に貼ったり、好きなイラストを書き足した...

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鍛冶屋さんの利き腕

鍛冶屋さんの利き腕

2013年8月     しばしも止まずに槌打つ響    飛び散る火の花 はしる湯玉    ふいごの風さえ息をもつがず    仕事に精出す村の鍛冶屋  この歌を聴いて情景が目に浮かぶ方は、失礼ながらかなりのご高齢か、よほど鍛冶屋に興味のある人であろう。これは、熱した鉄を鉄槌で叩いて農器具などを作る、鍛...

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