景観研究室では、文化的景観に関する基礎的・体系的な調査研究の一環として、国の重要文化的景観選定地の情報についても収集・整理しています。 その成果の一部として、奈文研ウェブサイトにおいて重要文化的景観選定地情報の公開と更新を行っております。 https://www.nabunken.go.jp...
続きを読む調理法示す包丁の跡 写真の骨は、真鯛(まだい)の主上顎骨(しゅじょうがくこつ)という頭の骨です。藤原宮の造営時に掘られた運河に棄(す)てられていました。約2センチ・メートルの小さな骨で、運河跡の土をフルイにかけて見つかりました。 この骨を顕微鏡で観察したところ、包丁で切断した痕跡を確認できま...
続きを読む宮城門 特定氏族が配属 平城宮の正面中央に開く朱雀(すざく)門。平城遷都1300年祭で、この門を警護する衛士隊(えじたい)の姿が再現されたのを覚えている方もいると思います。今回は平城宮の警備の話です。 奈良時代の平城宮は、周囲を高さ6メートル近い築地塀(ついじべい)で囲まれ、内部も施設ご...
続きを読む2014年6月23日~27日の支援状況 6月も終わりが近づいてきました。週末の現地公開も盛況に終わり、調査もいよいよ後半戦です。 東町遺跡は調査が順調に進んでおり、収束がみえてきています。というわけで奈文研職員は上渋佐原田遺跡の調査に参加しました。これまで掘ってきたA区は図面の作成や全景...
続きを読む去る、平成26年6月28日(土)に第114回公開講演会が当研究所平城宮跡資料館講堂において開催されました。 初めに松村所長による挨拶と引き続いて「藤原宮の地鎮と富本銭」と題しての特別講演、次に桑田研究員による「役人を育てる」、若杉研究員による「壁画古墳の世界-星宿と四神」と題しての講演がありました。...
続きを読む現在、当館では飛鳥の甍を「写し」た写真を募集しておりますが、今日は別の「写し」の世界をご紹介しようと思います。この屋根をみて、あっ、と思った方はかなりの建築好きかも? キトラ古墳の近くに位置する檜前の集落は、重厚な屋根の民家が多く建ち並びます。特に、入母屋屋...
続きを読む奈良文化財研究所学報「第23冊(1975) 平城宮発掘調査報告Ⅵ 平城京左京一条三坊の調査」(NARA IMPERIAL PALACE SITE EXCAVATION REPORT VI SURVEYS IN THE THIRD WARD OF FIRST AVENUE, EASTERN SEC...
続きを読む電磁波で地下探査 土の中は、人間の目が物を見るために必要な光を通すことができません。その代わりに地中を通ることのできる電気や振動を使ったり、地中のものが発する磁気を測定することで、土の中の様子を探ろうというのが、物理探査と呼ばれる方法です。 具体的には、地中に電気を流して抵抗を計る電気探...
続きを読む空撮画像から位置分析 土の中に埋もれている遺跡。その中身を探るにはどうすればいいでしょう? 一番確実な方法は土を掘ってみること。そう、発掘です。昔の人々の暮らした跡や使った道具を掘り出す発掘は、わくわくする作業です。 でも、遺跡は一度掘り返すと、同じ状況には二度と戻りません。歴史がた...
続きを読むみなさん、こんにちは。 今年の夏も、平城宮跡資料館では子供向けの企画展を開催予定です。 昨年は初の子供向け展示「平城京どうぶつえん」を開催し、 おかげさまで来場者の皆さんから大変好評を頂戴いたしました。 今年もなんとか面白い子供向け展示を、と頭を随分ひねりまして…、 「平...
続きを読む2014年6月16日~21日の支援状況 南相馬市での復興調査(東町遺跡・上渋佐原田遺跡)への支援が始まって1月半が過ぎました。例年より早く梅雨入りした東北地方南部でしたが、今週は梅雨の中休みということで大きく天気が崩れることはありませんでした。 一時は遅れ気味と思われた縄文時代中期・古代の集落遺跡で...
続きを読むこれはなんでしょう? 『飛鳥の甍』展示準備のため、学芸も明日香地域の甍めぐりをしています。栗原の集落で、不思議な屋根を発見。このような、屋根の上の小屋根を越屋根(こしやね)とよびます。民家ではカマドの煙り出しになるのが一般的です。でも、三つも並ぶのは例がありません。これはトイレ? ちょうど所有者の方...
続きを読む箸や匙 底部分に影響 古代の人たちはどのような食器を使っていたのでしょう。 古代には木製や金属製の食器もありましたが、最も広く使われたのは土器でした。飛鳥・奈良時代の土器をみると、20年ほどのサイクルで形や作り方が微妙に変化しています。こうした変化の特徴を手がかりに、奈文研は遺構などの年...
続きを読む46万か所 分布図も公表 日本全国に遺跡はいくつあるのでしょうか。2013年3月に文化庁が発表した最新のデータによると、その数、実に46万5021か所。5年前にくらべ約7700か所も増えました。単純計算で、1県あたり約1万か所の遺跡があることになります。日本の国土面積から計算すると、1平方キ...
続きを読む2014年6月9日~13日の支援状況 今週も引き続き、縄文時代中期・古代の集落遺跡である東町遺跡と平安時代の集落遺跡である上渋佐原田遺跡の発掘調査に参加しました。ともに南相馬市教育委員会が担当する現場ですが、それに加え東町遺跡は、茨城県・高知県からの派遣メンバーに福島県教育庁、福島県文化振興...
続きを読む2014年6月2日~6日の支援状況 暦が6月にかわりました。今週も縄文時代中期・古代の集落遺跡である東町遺跡と平安時代の集落遺跡である上渋佐原田遺跡の発掘調査の様子をお伝えします。 東町遺跡では、縄文時代中期の竪穴住居の遺構が数多くみつかっており、それにともなう複式炉もすでに十数基を数え...
続きを読む四季が生む"物差し" 木の切り株に見えるバウムクーヘンのようなしま模様――。そう、年輪のことは皆さんよく知っていますよね。奈文研には、年輪を調べる研究室があります。文化財を扱う研究所なのに、不思議だと思いませんか? それは、年輪を調べることで、その木が生えていた時代の...
続きを読む墳丘削り 新都の礎築く 平城宮跡(奈良市)の北端に小山のように残る市庭(いちにわ)古墳。この古墳は本来、全長253メートルの巨大な前方後円墳でした。平城宮の建設時、宮の敷地に入る前方部が削られ、濠(ほり)も埋め立てられ、後円部の一部だけが残されました。 同じく平城宮跡の中にあった神明野(...
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