なぶんけんブログ|奈良文化財研究所に関する様々な情報を発信します。

東院庭園庭の宴開催いたしました

東院庭園庭の宴開催いたしました

 9月22日夕刻、恒例となりました東院庭園での秋の催し、東院庭園庭の宴を開催いたしました。  神護景雲元年(767)4月14日、東院に玉殿が完成し群臣が集まりお祝いをしたことが『続日本紀』に記されております。本年はその後の内輪の宴を天平の衣装を纏った人々が再現しました。また、研究所研究員による、「東...

続きを読む
「十六むさし」と「八道行成(やさすかり)」

「十六むさし」と「八道行成(やさすかり)」

2018年10月   最近、我が家では子どもと一緒に「十六むさし」というゲームで遊んでいます。 十六むさしとは、四角と三角の外枠に縦横斜めの線を引いた盤面(図1)の上で、親駒と子駒を交互に動かして遊ぶ対戦ゲームです。親駒1個、子駒16個でゲームを開始し、親駒が子駒の間に入ったら子駒を捕って数を減らす...

続きを読む
壱師の花

壱師の花

 朝夕の風に秋を感じる季節となりました。  平城宮跡では今、ひと際目を引く鮮やかな紅色の花が見頃を迎えています。  日本の秋を彩る花の一つ、ヒガンバナ(彼岸花、別名:曼殊沙華)です。  その名の由来のとおり、彼岸である秋分の日前後に一斉に花開き群生する様は見事です。  とても印象深い花ではありますが...

続きを読む
(197)文化財用X線CT装置

(197)文化財用X線CT装置

国内最強 更なる成果へ  健康診断などで利用しているX線CT(X線コンピューター断層撮影)。文化財の調査に使われるX線CTは、なんと医療用の約10倍もの強いエネルギーを必要とします。  X線CTを用いれば、非破壊で文化財の内部構造の3次元情報を得ることができます。考古学的な研究に有効なだけでなく、文...

続きを読む
藤原宮大極殿院の発掘調査(飛鳥藤原第198次調査)の現地説明会のご報告

藤原宮大極殿院の発掘調査(飛鳥藤原第198次調査)の現地説明会のご報告

平成30年9月15日(土)、藤原宮大極殿院の発掘調査(飛鳥藤原第198次調査)の現地説明会を開催しました。 発表資料はこちらです。 >>電子公開ページ 発掘担当者からのコメント:都城発掘調査部 主任研究員  廣瀬 覚  報告者の晴れ男力で当初の雨予報を覆し、なんとか曇りまでもっていったのですが、前日...

続きを読む
本庁舎建替事業(2013年)

本庁舎建替事業(2013年)

奈良文化財研究所は平成25年より「本庁舎建替事業」を実施してきました。 地下遺構の保存に配慮した大幅な設計変更により、本庁舎建設工事の完成予定時期が当初の予定から2年遅れましたが、このたび平成30年3月末をもって本庁舎が完成し、9月には移転も完了いたしました。平成30年9月25日から奈良文化財研究所...

続きを読む
様式主義のハイテック

様式主義のハイテック

2018年9月   関西といえば、古代建築をはじめ古建築の宝庫ですが、明治以降につくられた近代建築もまた多く残っています。特に大阪には、大大阪時代と呼ばれた大正後期から昭和初期に建てられた、優れた近代建築が多く残っています。この頃の建築の主流は、ヨーロッパの建築様式を駆使してつくられる様式主義建築で...

続きを読む
ひらめき☆ときめきサイエンスプログラム「奈良の都の木簡に会いに行こう!2018」の実施

ひらめき☆ときめきサイエンスプログラム「奈良の都の木簡に会いに行こう!2018」の実施

 去る2018年8月21日(火)・22日(水)の両日、「奈良の都の木簡に会いに行こう!2018」(日本学術振興会ひらめき☆ときめきサイエンスプログラム。奈良文化財研究所・日本学術振興会共催、奈良県教育委員会・奈良市教育委員会後援)を実施しました。昨年多数のご応募をいただきましたので、今年は15名ずつ...

続きを読む
(196)土器発明の謎

(196)土器発明の謎

使用法分析 解明の手がかり  粘土を焼くことで、硬くて水に溶けないものを作り出せることを、人類は2万6000年前には知っていました。最古例は、東欧のチェコで見つかった粘土を焼いて作ったビーナス像です。しかし、土器、すなわち土を焼き固めた容器は、その後6000年もの間、世界中のどこにも現れませんでした...

続きを読む
正史と礎板

正史と礎板

2018年9月   宝亀3年(773)12月29日、狂った馬が平城宮的門の土牛・偶人と、弁官の役所の南門の限(シキミ)を食い破る。  『続日本紀』に記された一コマです。興奮して暴れる馬、役人たちのわたわたと慌てる姿が目に浮かびます。奈良時代の国家に関わる出来事を記したお堅い正史にあって、思わずにやり...

続きを読む
木簡の「夏」

木簡の「夏」

2018年8月   今年の夏は異常なまでに暑い日が続きました。お盆も過ぎ、少しは暑さも和らいできたように感じられますが、各地で39度を記録する日もあるなど、まだ油断はできません。来夏以降もこのような猛暑が続くのでは、という不穏な話も耳にします。  さて、古代にも毎年暑い夏がやって来ていたはずですが、...

続きを読む
土器のギャラリートークを開催しました

土器のギャラリートークを開催しました

8月も半ばを過ぎ、夏の企画展も残すところ2週間となりました。 先週の8月17日(金)には、夏の企画展の第4回ギャラリートーク・ワークショップを開催しました。 今回は土器をテーマに、平城宮跡内で出土した土器の観察と接続・復元についての解説を行いました。   出土する土器にはどのような種類があ...

続きを読む
(195)古代の温泉

(195)古代の温泉

万葉人も楽しんだ名湯  「温泉にでも行って、のんびりしたい」。こんな気持ちになったことはありませんか? 昨今では、都市部でも天然温泉に入浴できる時代です。現代の日本人にとって、温泉は本当に身近で親しみのある存在といえるでしょう。  では、いつから日本人は温泉に入浴していたのでしょうか。奈良時代に記さ...

続きを読む
「たいけん!なぶんけん」ワークショップ!

「たいけん!なぶんけん」ワークショップ!

みなさん、こんにちは。 今年の夏も、平城宮跡資料館ではこども向けの企画展を開催しています。 今年は「たいけん!なぶんけん」と題して、普段なかなかご紹介する機会のない 私たちの研究所の、日々のお仕事についてご紹介しています。   7月21日(土)から始まった今回の企画展では、 平城宮での発掘...

続きを読む
全国遺跡報告総覧:モバイル端末向けPDFの公開

全国遺跡報告総覧:モバイル端末向けPDFの公開

全国遺跡報告総覧について、下記の機能を公開しました。 ○モバイル端末向けPDFの公開概要:報告書PDFをモバイル端末向けに自動圧縮して表示します。 例)宮崎市文化財調査報告書『高岡麓遺跡第37地点』https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/22486 ○背景と効果全...

続きを読む
(194)飛鳥の原風景2

(194)飛鳥の原風景2

今昔 農業の変化知る  前回、空から見た明日香村の原風景を紹介しました。今回は、これまで奈良文化財研究所が撮りためてきた飛鳥の地上写真を紹介しましょう。  奈文研では、発掘にあたり多くの飛鳥地方の写真を撮影してきました。これらの写真からは、発掘された遺跡の様子だけではなく、当時の村の景観も見えてきま...

続きを読む
奈良文化財研究所概要2018

奈良文化財研究所概要2018

「奈良文化財研究所 概要2018」を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/22654   表紙...

続きを読む
奈良文化財研究所本庁舎関連パンフレットを公開しました

奈良文化財研究所本庁舎関連パンフレットを公開しました

奈良文化財研究所本庁舎関連パンフレットを電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 「独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 本庁舎 施設案内」 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/143737   「奈文研の地下に眠る遺構 平城京...

続きを読む
大極殿を飾った二種類の凝灰岩

大極殿を飾った二種類の凝灰岩

2018年8月   藤原宮大極殿は、柱の基礎に礎石を使用し、屋根には瓦を葺くという大陸的な様式を 取り入れた、我が国で最初の宮殿建築でした。桁行9間、梁行4間のその巨大な建物は、舞台のような高い基壇の上にそびえていました(図1)。古代の寺院や宮殿の基壇は、土を盛り固めて築かれますが、最終的に表面を精...

続きを読む
(193)飛鳥の原風景

(193)飛鳥の原風景

古墳周りに田畑広がる  飛鳥の風景といえば、懐かしさや歴史を感じる方も多いことでしょう。しかし、地元では「昔と変わった」という声もしばしば耳にします。では、かつて飛鳥にはどんな景色が広がっていたのでしょうか?  そんな疑問に答える貴重な資料が奈良文化財研究所にあります。1955年に撮影された飛鳥地方...

続きを読む

月別 アーカイブ