なぶんけんブログ|奈良文化財研究所に関する様々な情報を発信します。

朝霧

朝霧

昨日はうっすら雪化粧した平城宮跡でしたが、ほどなく雪も消え去り、翌朝は濃い霧に覆われました。 濃霧のなかに薄っすらと浮かび上がる朱雀門や第一次大極殿はとても幻想的です。 1時間ほどで霧は流れてゆき、野鳥たちの姿を垣間見ることができました。 湿地帯ではお馴染みのアオサギがじっと水面を見つめ佇...

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(183)東院地区の発掘調査

(183)東院地区の発掘調査

瑠璃瓦の玉殿 どこに?  平城宮跡が正方形ではなく、東に張り出し部分をもつことがわかったのは、1964年のこと。その結果、平城宮跡の東側に沿うように計画された国道24号バイパスは、現在のように東へ迂回(うかい)するルートに変更され、張り出し部分は平城宮跡と一体的に保存されることになりました。 ...

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野鳥とサザンカ

野鳥とサザンカ

暦の上では4日後に「立春」を迎えます。連日厳しい寒さが続いていますが、立春を境に気温の底はピークを過ぎ、ゆっくりと春めいた気温に移りゆくことでしょう。 さて、そんな厳冬の平城宮跡では秋に銀色の穂を揺らしていたオギの群落はほぼ刈り取り作業が行われ、湿地帯では冬を象徴する冬鳥たちの姿が見られるよう...

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平成28年度遺跡整備・活用研究集会報告書

平成28年度遺跡整備・活用研究集会報告書

「近世城跡の近現代― 平成28年度 遺跡整備・活用研究集会報告書―」を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/21533 目次 凡 例 はじめに   近世城跡の近現代 Ⅰ 研究報告   平成28年度 遺跡整備・...

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全国遺跡報告総覧:平成29年度第2回報告書データベース作成に関する説明会予稿集を公開

全国遺跡報告総覧:平成29年度第2回報告書データベース作成に関する説明会予稿集を公開

2017年12月20日に開催した平成29年度第2回報告書データベース作成に関する説明会の予稿集および質問回答集を公開しました。 東北大学で開催した説明会には、自治体担当者・大学関係者など60名が参加しました。       説明会の様子(東北大学) &...

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(182)天皇の憩いの場

(182)天皇の憩いの場

二つの池に大庭園跡  奈良市の平城宮の北には満々と水をたたえる大きな池が二つあります。現在、水上池(みずかみいけ)と佐紀(さき)池と呼ばれていますが、これらの池は平城宮の庭園(禁苑(きんえん))の一部でした。  水上池は平城宮北方の東寄りに位置します。池の南辺が平城宮の北面築地大垣と一致する...

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「奈文研ニュースNo.67」

「奈文研ニュースNo.67」

「奈文研ニュースNo.67」(NABUNKEN NEWS No.67)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/21523 目次 ・高松塚古墳石室解体事業完了から10年(松村 恵司・廣瀬 覚) ・山田道の調査(...

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「美濃」「美濃國」刻印須恵器はどこへいったのか?

「美濃」「美濃國」刻印須恵器はどこへいったのか?

2018年1月   岐阜県岐阜市に、国の史跡に指定されている老洞古窯跡群という遺跡があります。飛鳥・奈良時代の美濃国(現在の岐阜県南部)では最大、全国規模でも屈指の須恵器生産地であった美濃須衛古窯跡群(美濃須衛窯)の一角をなす窯跡群で、発掘調査によって3基の窯跡の存在が確認されています。古代の窯跡だ...

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平城宮東院地区の発掘調査(平城第593次調査)の現地説明会のご報告

平城宮東院地区の発掘調査(平城第593次調査)の現地説明会のご報告

平成29年12月23日(土) 、平城宮東院地区の発掘調査(平城第593次調査) の現地説明会を開催しました。 当日は823名の方にご参加いただきました。 発表資料はこちらです。 >>電子公開ページ   発掘担当者からのコメント:都城発掘調査部 考古第二研究室 研究員 小田裕樹 ...

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新年

新年

2018年1月   年越し蕎麦を食べて除夜の鐘を聞いて、初日の出、お屠蘇におせち料理、お年玉、初詣。それなりに忙しく過ごした元旦の夜に見るのが初夢。縁起が良いのは、一富士二鷹三茄子。なんでも、徳川家康が好きだったベスト3なんだとかいう話もありますが、夢に富士山がどーんと出てくれば、確かになんだ...

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(181)発掘を通した異文化交流

(181)発掘を通した異文化交流

学び合い切磋琢磨  考古学を学ぶ私たちにとって、さまざまな土地や時代の遺跡調査に参加することは、とても新鮮で貴重な経験です。  奈良文化財研究所と韓国の国立慶州文化財研究所(慶州研)は、2005年から双方の研究員が互いの研究所に約2か月間滞在して、実際の調査に参加する発掘交流を行っています。  韓国...

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(180)木簡の国宝指定

(180)木簡の国宝指定

ゴミが描き出す歴史  時に「平城宮跡の発掘調査で最大の成果の一つ」とも言われる木簡。驚くなかれ、その木簡たち、実はほとんどがゴミなのです。  木簡だけでなく、発掘調査で見つかる遺物の多くは、昔の人々がゴミとして捨てたもの。でも、それゆえに当時のありのままの生活を、ウソ偽りなく語ってくれます。...

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奈良文化財研究所学報第94冊「飛鳥・藤原宮発掘調査報告Ⅴ-藤原京左京六条三坊の調査- 本文編 図版編」

奈良文化財研究所学報第94冊「飛鳥・藤原宮発掘調査報告Ⅴ-藤原京左京六条三坊の調査- 本文編 図版編」

奈良文化財研究所学報第94冊「飛鳥・藤原宮発掘調査報告Ⅴ-藤原京左京六条三坊の調査 本文編 図版編-」(ASUKA AND FUJIWARA PALACE SITES EXCAVATION REPORT Ⅴ, INVESTIGATION OF THE EAST THIRD WARD ON SIX...

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全国遺跡報告総覧:鹿児島大学総合研究博物館の文化財関係資料を公開

全国遺跡報告総覧:鹿児島大学総合研究博物館の文化財関係資料を公開

鹿児島大学総合研究博物館の文化財関係資料を公開しています。     古墳に眠る肝属の王 ー塚崎古墳群の時代ー http://sitereports.nabunken.go.jp/21422 X線CT×島内139号地下式横穴墓 http://siterepo...

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何が動いたのか―瓦からわかること―

何が動いたのか―瓦からわかること―

2017年12月   私はふだん瓦、特に複雑な文様をもつ軒瓦の研究をしています。すると時々、かなり離れた場所で、まったく同じ文様の軒瓦が見つかることがあります。ほとんどの軒瓦は、文様を彫りつけた笵(型)を粘土に押しつけて文様をつけるので、文様がまったく同じということは同じ笵を使った、ということ...

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(179)舌を出す鬼瓦

(179)舌を出す鬼瓦

ペロッと敵を袚う  みなさんは、幼いころ「アッカンベー」をしたことはありますか。最近の若い人は、「てへぺろ」の方になじみがあるでしょうか。  飛鳥時代には蓮(はす)の花の文様だった鬼瓦に、オニの顔が付くようになるのは奈良時代のこと。平城宮には、なんと舌をペロッと出した鬼瓦があります。  古...

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身近でない古代

身近でない古代

2017年12月   まず、下の写真をご覧ください。「大きな白い骨」と「小さな茶色の骨」が写っています。小さな茶色の骨は奈良文化財研究所の発掘調査で出土した骨、大きな白い骨は比較するためのレプリカ標本です。何の骨だと思いますか?  この骨は、人の骨です。左側の白い骨(レプリカ標本)は、大人の...

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平城宮跡資料館秋期特別展「地下の正倉院展 国宝 平城宮跡出土木簡」パンフレット

平城宮跡資料館秋期特別展「地下の正倉院展 国宝 平城宮跡出土木簡」パンフレット

平城宮跡資料館秋期特別展「地下の正倉院展 国宝 平城宮跡出土木簡」パンフレット を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://sitereports.nabunken.go.jp/21354 ・ごあいさつ ・平城宮跡出土木簡、国宝に ・平城宮の夜明け前の語り部 下ツ道西側溝...

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平城宮跡資料館秋期特別展「地下の正倉院展 国宝 平城宮跡出土木簡」第1~3期解説シート

平城宮跡資料館秋期特別展「地下の正倉院展 国宝 平城宮跡出土木簡」第1~3期解説シート

平城宮跡資料館秋期特別展「地下の正倉院展 国宝 平城宮跡出土木簡」第1~3期解説シート を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 第1期:https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/21355 第2期:https://sitereports.nabunk...

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秋深まる平城宮跡

秋深まる平城宮跡

朝晩の冷え込みも一段と進み、樹木や植物たちは来たる冬に備えての準備に入っています。 平城宮跡では紅葉・黄葉の色づきが見頃を迎え、赤や黄色に染まった情景が来訪者の目を楽しませています。 銀色の穂を風に揺らしているのは、イネ科ススキ属の植物の一種である「オギ(荻)」です。オギについては「銀色に輝...

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