なぶんけんブログ|奈良文化財研究所に関する様々な情報を発信します。

(52)土器に書かれた文字

(52)土器に書かれた文字

給食用 裏に役所名  平城宮跡から出土する土器の中には、墨で文字を書いたものがあります。これを墨書土器と呼んでいます。  書かれているのは、役所名や官職名、人名、数字、器の名前や内容物などさまざまです。また、同じ字を繰り返し練習したものや、落書き、意味不明の記号などもあります。  この中で、役...

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(51)一日の労働の対価

(51)一日の労働の対価

「お疲れさま」と米9合  大勢の人がつどう都・平城京では、たくさんの、そしてさまざまな仕事が必要とされました。街に出てみましょう。工事現場で働く人々や荷物の運送業者、仏像造りの職人から洗濯を請け負う女性まで、本当にいろいろな人がいます。  奈良時代、労働者たちには給料として、お米や塩などの食料が...

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「平城京ビックリはくらんかい」終了しました

「平城京ビックリはくらんかい」終了しました

9月も終わりに近づき、すっかり涼しくなりましたね。 おかげさまで、先週日曜日に夏期企画展「平城京ビックリはくらんかい-奈良の都のナンバーワン-」が 無事に終了しました。 今年の夏もうだるような暑さでしたが、子どもから大人まで毎日たくさんの方々に平城宮跡資料館へ お越しいただきました。 ...

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(49)みほとけの年輪

(49)みほとけの年輪

木材の情報 渦巻く  仏像の素材は様々です。なかでも木を用いた木彫仏は日本人に好まれたようで、平安時代以降の仏像のほとんどは木彫像です。年輪年代法はこうした木彫像にうってつけの調査手法です。  具体例を挙げましょう。奈良・東大寺南大門の仁王像は、2000以上もの部材を組み上げた巨大な木彫像です。...

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埋蔵文化財ニュースNo.8~9,12,14~15,20~21,25~27,29~30,32~33

埋蔵文化財ニュースNo.8~9,12,14~15,20~21,25~27,29~30,32~33

埋蔵文化財ニュースNo.8~9,12,14~15,20~21,25~27,29~30,32~33(CAO NEWS Centre for Archaeological Operations)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go....

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瓦礫は語る

瓦礫は語る

2014年9月  瓦礫の山というと、廃材が山積している様子が思い浮かびます。奈良文化財研究所の収蔵庫はまさに瓦礫の山です。といっても、もちろんコンテナには入っていますが。収蔵庫の瓦は、瓦礫といえども飛鳥時代から奈良時代を中心とし、近代にまでいたる大切な考古資料です。つまらないものの例えとして瓦...

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埋蔵文化財ニュース「No.1」~「No.4」「No.6」

埋蔵文化財ニュース「No.1」~「No.4」「No.6」

埋蔵文化財ニュース「No.1」~「No.4」「No.6」(CAO NEWS Centre for Archaeological Operations)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go.jp/publication/maibu...

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(48)平城京の人口と役人たち

(48)平城京の人口と役人たち

職種のるつぼ 外国からも  現代の都市は、人口が多いほど、あるいは人口密度が高いほど、大きな都市とみなされます。奈良県最大の都市である奈良市の人口は、現在36万人です。  では、奈良時代最大の都市、平城京の人口は何万人だったのでしょうか。古くは20万人と推定されましたが、最近では5~10万人と考...

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(47)古代のボーナス-季禄の品々

(47)古代のボーナス-季禄の品々

古代のボーナス―季禄の品々 現物支給 市場で交換も  今日のサラリーマンのボーナスは、明治時代に始まったとされています。ところが、藤原宮や平城宮で働く古代の役人にも「季禄」とよばれるボーナスがありました。  律令の規定によると、季禄は年に2回、2月と8月に支給されました。支給されたのはあしぎ...

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奈良文化財研究所学報第62冊「史跡頭塔発掘調査報告」

奈良文化財研究所学報第62冊「史跡頭塔発掘調査報告」

奈良文化財研究所学報第62冊「史跡頭塔発掘調査報告」(REPORT OF ARCHAEOLOGICAL INVESTIGATIONS INTO THE ZUTO STUPA,NARA,JAPAN)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken....

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奈良文化財研究所学報第26冊「平城宮発掘調査報告VⅡ 内裏北外郭の調査」

奈良文化財研究所学報第26冊「平城宮発掘調査報告VⅡ 内裏北外郭の調査」

奈良文化財研究所学報第26冊「平城宮発掘調査報告VⅡ 内裏北外郭の調査」(NARA (HEIJO) IMPERIAL PALACE SITE EXCAVATION REPORT VII SURVEYS lN THE "DAIRl NORTH EXTERIOR PRECINCT" CARRIED ...

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(46)文字の上手下手

(46)文字の上手下手

ほんとに読めた?  奈良時代のお経。1点1画が丁寧に書き写され、大きさもほぼ均等で、まるで活字のようです。奈良時代の人たちは、みなこのように美しく整った字を書いたのでしょうか。  全国各地から平城宮へ運ばれた荷札の文字をみてみましょう。写真1の木簡は、お経のように整った文字の木簡です。でも、この...

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(45)写真も文化財

(45)写真も文化財

形や質感 未来に伝え  奈良にはたくさんの「文化財」がありますが、その種類や材質、形状、大きさなどは実に様々です。そうした文化財をわかりやすい姿で写しとめる方法が「文化財写真」です。  奈文研には文化財写真の撮影を担当する職員がいます。それが私たち文化財写真のカメラマンです。私たちは、写真を通し...

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ビックリ先生のイコーじまん!

ビックリ先生のイコーじまん!

みなさん、こんにちは。 ここの所、秋の足音が聞こえるような、涼しい日が増えてきましたね。 先週金曜日は平城宮跡資料館の夏期企画展「平城京ビックリはくらんかい」の この夏最後のギャラリートーク「ビックリ先生のイコーじまん」が開催されました。 イコーというのは、遺構と書き...

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「古代建築」の「現代」

「古代建築」の「現代」

2014年9月  奈良県は文化財の宝庫です。仏像、建造物、遺跡、歴史資料など、まさに文化の中心であったことを実感させられる場所です。日本の歴史を伝える文化財を求めて、日本国内だけではなく、海外からも多くの観光客が訪れる場所です。  建造物に注目してみると、奈良時代以前に建てられたとする建造物が奈良県...

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(44)役人の勤務時間

(44)役人の勤務時間

残務処理 帰宅は遠い  古代の役人の朝は早く、夜明け前に家を出て平城宮へと通勤しました。  律令をはじめとする決まりによると、朱雀門などの宮の外門は、日の出の20分ほど前に開かれました。宮内の朝堂院の門が開くのは、さらに1時間あまり後で、夏至で午前6時半頃、冬至でも7時50分頃に仕事が始まりまし...

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(43)土馬

(43)土馬

水に関わる場所で出土  土馬とは、馬の形をした土製品です。平城京では、道路の脇を流れる溝や運河から出土することが多く、水に関わる祭りに使われたようです。一体何のために使われたのでしょうか。  土馬の用途については二つの説があります。一つ目は、恐ろしい災厄をもたらす疫病神を土馬に乗せて、穢(けが)...

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奈良文化財研究所学報第24冊「高山 町並調査報告」

奈良文化財研究所学報第24冊「高山 町並調査報告」

奈良文化財研究所学報第24冊「高山 町並調査報告」(TAKAYAMA A STUDY OF TOWN AND TOWNSCAPE IN 1973-1974)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go.jp/publication/ga...

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ビックリ先生の「カワラじまん」大盛況!

ビックリ先生の「カワラじまん」大盛況!

夏休みも終わりに近づいていますが、30℃を超える暑さが続いています。 皆さん、元気にお過ごしでしょうか? 今日はビックリ先生による4回目のギャラリートーク「カワラじまん」が開催 されました。 はじめに、雨水や火事から木造の建物を守るため、あるいは建物を豪華に見せるために 瓦が造られたと...

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(42)ケガレや災いを払う人形

(42)ケガレや災いを払う人形

悪気引き取り 流れ去る  人形と書いて、ここでは「ひとがた」と読みます。文字通り人間の全身をかたどったもので、紙や木、金属などで作られたものがあります。  むかし、平城京に暮らした人々は、病の原因となる穢(けが)れや災いを払うために、あるいは呪いをかけるために、木や金属の人形を用いました。なでた...

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