漏刻建設 権威の象徴 私が勤める飛鳥資料館(明日香村)に、飛鳥時代の水時計である「漏刻(ろうこく)」の模型が展示されています。これは、明日香村の水落遺跡から発掘された水時計の遺構を基に、文献史料や現存する中国の古い水時計を参考にして復元したものです。 漏刻は、階段状に並べた複数の水槽を、...
続きを読む春期特別展「いにしえの匠たち―ものづくりからみた飛鳥時代―」では、富本銭や施釉陶器、塼仏などの発掘出土品とともに、「現代の匠」によって復元製作された作品も展示しています。 復元製作品の製作工程も紹介しています。「古代の匠」の作品と「現代の匠」の作品をじっくりと見比べ、「古代と現代の匠の対話...
続きを読むはじめに --> 現在、東日本大震災の被災地では、復興事業に伴う発掘調査が数多くおこなわれています。そして、津波の被害を受けた沿岸部には、縄文時代の貝塚が埋没している可能性があります。貝塚は、土器や石器などの遺物とともに、貝殻に含まれるカルシウムの影響によって通常の遺跡では残りにくい人骨...
続きを読む4月25日より春期特別展『いにしえの匠たち―ものづくりからみた飛鳥時代―』を開催しております。 特別展の担当研究員による、ギャラリートークを4月26日に開催いたしました。 たくさんの方にお集まりいただき、ありがとうございました。 ギャラリートークは、5月11日(日)10時30分、2...
続きを読む2014年5月 今年(2014年)の2月から3月にかけて、私は文化庁の事業(文化遺産保護国際貢献事業・専門家派遣)で大洋州のツバル、キリバス、フィジーの3か国に行ってきました。その目的は、近年の急激な気候変動によって、危機に瀕する可能性のある文化遺産についての調査でした。 世界をとりまく問題のな...
続きを読む天体の動き 測量に応用 奈良の都・平城京は、中国・唐の長安の都(現・西安市)をモデルに造られた計画的な都市でした。東西約5・8キロ、南北約4・8キロの広さがあり、3万~10万人の人々が暮らしていたと考えられています。この平城京は、東西・南北に規則正しく走る道路で、碁盤の目のように整然と区画さ...
続きを読む今回のテーマは 「飛鳥の甍(いらか)」 です! 甘樫丘から遠望する飛鳥の集落の家並。古からの法灯を受け継ぐ寺院。大和棟の民家の庇。飛鳥では美しい瓦葺きの屋根―甍―をいたるところで目にします。 瓦が日本で初めて葺かれたのは飛鳥の地でした。崇峻天皇元年(588)、百済から渡来した瓦博士が飛鳥寺の創...
続きを読む3000年前 カヌーで移住 私は奈良文化財研究所の仕事のかたわら、年に1、2度のペースで南太平洋の島々に出かけています。同僚には「いいですね」とうらやましがられるのですが、実はそこで考古学の調査をしています。フィジーやタヒチ、ハワイといった島々に、いつ、どうやって人間が渡っていったのか、それ...
続きを読むままごと用?謎の土器 奈良時代の土器に、5~10センチぐらいのとても小さいものがあります。私たちはミニチュア土器と呼んでいます。実際に使うにはあまりに小さく、何に使ったのか、よくわかっていません。 中でも特に多いのは、竈(かまど)、甕(かめ)、甑(こしき)の3点セットです。竈で火を炊いて...
続きを読む2014年4月 地下に埋もれている遺跡を発掘するにあたっては、予め周辺の調査成果や検出が予想される遺構の類例などを把握した上で、調査に臨みます。2006年10月から2007年9月にかけて実施した高松塚古墳の石室解体作業では、石室の石材ごと壁画を取り出すという海外にも前例のない困難な作業に直面するこ...
続きを読むみなさん、新年度いかがお過ごしでいらっしゃいますか? 平城宮跡資料館を本年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。 このたび、2014年度展示カレンダーなるものを製作いたしました。 これを見れば、いつ資料館に来ればどんな展示を見られるかが一目瞭然です。 (むしろ今までなくて申し訳ございません...) ...
続きを読む祝『公益財団法人衣笠繊維研究所繊維学術賞』受賞 埋蔵文化財センター 赤田昌倫アソシエイトフェロー テーマ:『出土古代繊維に関する劣化研究』 研究内容 出土した繊維の中でも特に絹を対象とし、埋蔵環境下にあった絹がどのような劣化状態にあるのかについて調査研究をおこなった。その結果、出...
続きを読む飛鳥資料館ホームページにて、館内で配布中のリーフレットを公開しています。 英語・中国語(簡体・繁体)・韓国語版もあります。 ぜひ、ご活用ください。 ...
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