なぶんけんブログ|奈良文化財研究所に関する様々な情報を発信します。

(12)非破壊分析

(12)非破壊分析

エックス線で状態診察  遺跡から出土する遺物には、木製、鉄製、銅製、ガラス製など様々な材質のものがあります。中には、見ただけでは材質がわからないものもあり、金属製の遺物が土製と間違われていた例もあります。  これらの遺物は、土に埋もれている間に劣化が進んでいます。このため発掘後に保存処理が必...

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(11)人々に時を告げる

(11)人々に時を告げる

漏刻建設 権威の象徴  私が勤める飛鳥資料館(明日香村)に、飛鳥時代の水時計である「漏刻(ろうこく)」の模型が展示されています。これは、明日香村の水落遺跡から発掘された水時計の遺構を基に、文献史料や現存する中国の古い水時計を参考にして復元したものです。  漏刻は、階段状に並べた複数の水槽を、...

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飛鳥資料館 春期特別展の見どころ(1)‐古代と現代の匠の対話‐

飛鳥資料館 春期特別展の見どころ(1)‐古代と現代の匠の対話‐

 春期特別展「いにしえの匠たち―ものづくりからみた飛鳥時代―」では、富本銭や施釉陶器、塼仏などの発掘出土品とともに、「現代の匠」によって復元製作された作品も展示しています。  復元製作品の製作工程も紹介しています。「古代の匠」の作品と「現代の匠」の作品をじっくりと見比べ、「古代と現代の匠の対話...

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復興調査への支援(宮城県気仙沼市・波怒棄館遺跡)

復興調査への支援(宮城県気仙沼市・波怒棄館遺跡)

はじめに -->  現在、東日本大震災の被災地では、復興事業に伴う発掘調査が数多くおこなわれています。そして、津波の被害を受けた沿岸部には、縄文時代の貝塚が埋没している可能性があります。貝塚は、土器や石器などの遺物とともに、貝殻に含まれるカルシウムの影響によって通常の遺跡では残りにくい人骨...

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飛鳥資料館 春期特別展ギャラリートーク

飛鳥資料館 春期特別展ギャラリートーク

 4月25日より春期特別展『いにしえの匠たち―ものづくりからみた飛鳥時代―』を開催しております。  特別展の担当研究員による、ギャラリートークを4月26日に開催いたしました。  たくさんの方にお集まりいただき、ありがとうございました。  ギャラリートークは、5月11日(日)10時30分、2...

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(10)瓦の文様

(10)瓦の文様

古いほどシンプル  古代の宮殿や寺院を発掘すると、瓦が大量に出土します。  価値のないものの例えに「瓦礫(がれき)」と言いますが、私たち考古学研究者にとって、瓦はとても大切な研究資料です。特にハスの花をかたどった蓮華(れんげ)文や、つる科の植物の唐草文で飾られた軒先の瓦は、昔から古美術品とし...

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(9)古代の倉庫

(9)古代の倉庫

出土木材から復原期待  毎年秋になると、奈良国立博物館で開かれる正倉院展を見学するため、多くの人が奈良市を訪れます。同展に並ぶ貴重な宝物を1300年間守ってきた倉庫について説明しましょう。  倉庫はちょっと地味な存在かもしれません。しかし、倉庫がなければ、大切な宝物や経典、米などを保管、収納...

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気候変動で危機に瀕する文化遺産

気候変動で危機に瀕する文化遺産

2014年5月  今年(2014年)の2月から3月にかけて、私は文化庁の事業(文化遺産保護国際貢献事業・専門家派遣)で大洋州のツバル、キリバス、フィジーの3か国に行ってきました。その目的は、近年の急激な気候変動によって、危機に瀕する可能性のある文化遺産についての調査でした。  世界をとりまく問題のな...

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(8)蒸して食べる

(8)蒸して食べる

7000年前 中国に起源  最近、タジン鍋やシリコンスチーマーといった、油を使わずに調理できる蒸し調理器具が話題になっています。モノを蒸す調理法は、形を崩さずに素材の持つ美味しさをそのまま生かせるだけではなく、お酒やお茶を作る際にも欠かせない調理法です。  この「蒸し調理」、実は東アジアで発...

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(7)計画都市の建設

(7)計画都市の建設

天体の動き 測量に応用  奈良の都・平城京は、中国・唐の長安の都(現・西安市)をモデルに造られた計画的な都市でした。東西約5・8キロ、南北約4・8キロの広さがあり、3万~10万人の人々が暮らしていたと考えられています。この平城京は、東西・南北に規則正しく走る道路で、碁盤の目のように整然と区画さ...

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小さなお花畑

小さなお花畑

平城宮跡にはたくさんの草花が咲いています。 気温の上昇とともに咲き広がり、まるで小さなお花のカーペットです。 宮跡にお越しの際には、ぜひ探してみてくださいね。   タンポポ(2014年4月23日)...

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飛鳥資料館 第5回写真コンテストの開催が決まりました

飛鳥資料館 第5回写真コンテストの開催が決まりました

今回のテーマは  「飛鳥の甍(いらか)」  です!  甘樫丘から遠望する飛鳥の集落の家並。古からの法灯を受け継ぐ寺院。大和棟の民家の庇。飛鳥では美しい瓦葺きの屋根―甍―をいたるところで目にします。 瓦が日本で初めて葺かれたのは飛鳥の地でした。崇峻天皇元年(588)、百済から渡来した瓦博士が飛鳥寺の創...

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(6)南の島の考古学

(6)南の島の考古学

3000年前 カヌーで移住  私は奈良文化財研究所の仕事のかたわら、年に1、2度のペースで南太平洋の島々に出かけています。同僚には「いいですね」とうらやましがられるのですが、実はそこで考古学の調査をしています。フィジーやタヒチ、ハワイといった島々に、いつ、どうやって人間が渡っていったのか、それ...

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(5)ミニチュアの世界

(5)ミニチュアの世界

ままごと用?謎の土器  奈良時代の土器に、5~10センチぐらいのとても小さいものがあります。私たちはミニチュア土器と呼んでいます。実際に使うにはあまりに小さく、何に使ったのか、よくわかっていません。  中でも特に多いのは、竈(かまど)、甕(かめ)、甑(こしき)の3点セットです。竈で火を炊いて...

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明らかになった設計原理-高松塚古墳の石室-

明らかになった設計原理-高松塚古墳の石室-

2014年4月  地下に埋もれている遺跡を発掘するにあたっては、予め周辺の調査成果や検出が予想される遺構の類例などを把握した上で、調査に臨みます。2006年10月から2007年9月にかけて実施した高松塚古墳の石室解体作業では、石室の石材ごと壁画を取り出すという海外にも前例のない困難な作業に直面するこ...

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平城宮跡資料館2014年度展示カレンダーできました

平城宮跡資料館2014年度展示カレンダーできました

みなさん、新年度いかがお過ごしでいらっしゃいますか? 平城宮跡資料館を本年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。 このたび、2014年度展示カレンダーなるものを製作いたしました。 これを見れば、いつ資料館に来ればどんな展示を見られるかが一目瞭然です。 (むしろ今までなくて申し訳ございません...) ...

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祝『公益財団法人衣笠繊維研究所繊維学術賞』受賞

祝『公益財団法人衣笠繊維研究所繊維学術賞』受賞

祝『公益財団法人衣笠繊維研究所繊維学術賞』受賞       埋蔵文化財センター 赤田昌倫アソシエイトフェロー テーマ:『出土古代繊維に関する劣化研究』 研究内容 出土した繊維の中でも特に絹を対象とし、埋蔵環境下にあった絹がどのような劣化状態にあるのかについて調査研究をおこなった。その結果、出...

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(4)重さを量る

(4)重さを量る

3つの単位 唐の影響  「牛肉200グラムください」「3キロ太っちゃったわ」。こんな日常会話に出てくる「重さ」が、どれぐらいか想像できますか? 実は日本中どこに行っても、同じ単位を使って重さが量れることは、驚くべきことなんです。  日本人がモノの重さを量り始めたのは、少なくとも弥生時代に遡り...

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(3)キトラの星

(3)キトラの星

天体把握し暦を管理  壁画で有名な明日香村のキトラ古墳と高松塚古墳。その石室天井には、夜空に輝く星を描いた「天文図」が広がっていました。  星々は直径6ミリほどの金箔(ぱく)で表現され、それを赤い線でつないで星座に見立てています。両古墳とも、北極星を中心に28の星座を描き、東西には太陽と月を配置...

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飛鳥資料館リーフレット公開しています

飛鳥資料館リーフレット公開しています

飛鳥資料館ホームページにて、館内で配布中のリーフレットを公開しています。 英語・中国語(簡体・繁体)・韓国語版もあります。 ぜひ、ご活用ください。 ...

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