2020年9月 およそ2000年前の中国には、国営郵便局が設置されていました。古くは始皇帝時代の出土木簡から、その郵便事情をうかがい知ることができます。今回は、漢代後期の興味深い事例を紹介します。 ●2000年前の郵便伝票 現代日本の日常生活で目にする郵便伝票のようなものが、中国甘粛省の砂漠から...
続きを読むみなさんは、木を顕微鏡で見たことがありますか? 下の写真は、木を輪切りにした面の顕微鏡写真です。普段、身近にありふれている木が、このように細胞がきれいに整然と並んでできていることに驚かされます。 木質遺物の顕微鏡写真 木の年輪が、1年に1層ずつ形成されるものだということは、比較的認知度の高いも...
続きを読む■公開日時:2020年8月26日(水) ■URL:https://sitereports.nabunken.go.jp/ja 〇経緯・背景 新型コロナウイルスによる感染症拡大を受けて、現在、展示等の文化財関連事業にも影響がでています。そこで情報発信を補うためにwebによる文化財関連動画の配信が行わ...
続きを読む2020年8月 平城宮跡内を走る近鉄電車の車内から眺める朱雀門や大極殿は、奈良ならではの風景でしょう。でも、少し前から大極殿の手前(南側)に大きな覆屋がそびえ立っています。この覆屋は2019年に始まった大極殿院南門の復元工事のためのものです。朱雀門(1998年復元)、第一次大極殿(2010年復元)...
続きを読むこの度、奈良文化財研究所はYouTubeチャンネルを開設いたしました。 名前は「なぶんけんチャンネル」! 研究員による展示の解説などを発信していきます。 ぜひ、チャンネル登録をよろしくお願いいたします。 【なぶんけんチャンネル】https://www.youtube.com/channel/UCYm...
続きを読む(2024年3月末まで) 古代の宮殿や寺院の発掘では土器や瓦が大量に出土しますが、条件に恵まれれば木製品や種実などの有機質遺物、武器や工具、釘などの金属製品、玉や砥石などの石製品も出土します。我々、考古第一研究室は、それら土器・瓦以外の出土資料を調査研究しています。木製品や有機質遺物の研究について...
続きを読む西トップ遺跡に見られる動物意匠 アンコール遺跡群の中に位置する西トップ遺跡の建造物は、砂岩という比較的柔らかい石材でできています。砂岩には様々な装飾が施されており、訪れる人の目を楽しませてくれます。西トップ遺跡は仏教寺院として機能していたと考えられているだけあり、遺跡内では仏像など多くの仏教的な図...
続きを読む2020年7月 考古学専門ではないからこそ、わかりやすく伝えられる 飛鳥資料館や奈良文化材研究所といえば、考古学のイメージが強いかと思いますが、考古学以外にも様々な分野の研究者が協力して調査・研究を進めています。 私は飛鳥資料館で学芸業務をしていますが、専攻は考古学ではなく「文化遺産マネジメント...
続きを読む埋蔵文化財ニュースNo.166,172,173,175,176,177,178,181(CAO NEWS Center for Archaeological Operations)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go.jp/publi...
続きを読む「奈文研ニュースNo.76、No.77」(NABUNKEN NEWS No.76,No.77)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 ■No.76 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/71453 目次 ・ベトナム・カイベー集落調査に対するティエ...
続きを読む「史跡等の保存活用計画-歴史の重層性と価値の多様性- 平成30年度 遺跡整備・活用研究集会報告書―」を学術情報リポジトリで公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 http://hdl.handle.net/11177/7728 目次 凡 例 はじめに 史跡等の保存活用計画-歴史の重層性...
続きを読む「東アジア考古学論叢-日中共同研究論文集-」を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/71168 目次 慕容鮮卑関連墳墓の立地に関する基本的データの作成と省察 北票・喇嘛洞墓地出土「人面飾金具」考 喇嘛洞出土の...
続きを読む2020年7月 奈文研のホームページでは、『木簡庫』や『全国遺跡報告総覧』など、数多くのオンラインデータベースが公開されています。これらのデータベースの一部は日本語以外の言語にも対応しています。今回はオンラインデータベースをどのように多言語化対応させるのか見てみましょう。 データベースは基本的に...
続きを読む飛鳥資料館は、飛鳥地域の歴史や文化を紹介する展示施設として、1975年(昭和50)に開館しました。展示室は3室からなり、一階の第1展示室では飛鳥地域の歴史をテーマ別に展示し、第2展示室では山田寺東回廊の建物を中心に山田寺の出土品(重要文化財)を紹介しています。地下の特別展示室では、年に4回ほど、...
続きを読む2014年度~2017年度科学研究費(学術研究助成金(若手研究B) )研究成果報告書「古代東北アジアにおける金工品の生産・流通構造に関する考古学的研究」を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/71203 目次...
続きを読む仏像台座編 2019年秋から2020年2月にかけて中央祠堂の解体・修復調査に伴って、中央祠堂東正面の調査を順次おこないました。中央祠堂東正面には「仏教テラス」とも呼ばれる細長いテラス状の壇が延びています(写真1)。このテラス上に中央祠堂の基壇から続く台座状の遺構があります(写真2)。この遺構の修復...
続きを読む中央祠堂ラテライト基壇編 西トップ遺跡の調査修復事業では、2015年末に南祠堂再構築、2017年末に北祠堂再構築をそれぞれ完了し、2018年1月より中央祠堂の解体修復調査をおこなっています。2018年1月中に、崩壊が進んでいた中央祠堂屋蓋部の解体と仮組作業を終え、順次躯体部の解体へと進みました。2...
続きを読む2020年6月 「生(なま)」の対義語は「加工」です。でも、古代において煮たり焼いたり蒸したり漬けたりした食品をぜんぶひっくるめて「加工」食品とは言いません。荷札・付札木簡などを眺めていると調理した食品にはその加工法が記されていることが多いように思います。 アワビはさまざまな加工をして都にもたら...
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