なぶんけんブログ|奈良文化財研究所に関する様々な情報を発信します。

(168)危機に直面する文化遺産

(168)危機に直面する文化遺産

壊すのも 守るのも人間  文化遺産を破壊や消滅の危機にさらすのは、なにも自然災害だけではありません。今回は、人間の手によって壊されようとしている文化遺産を紹介します。  内戦が続くアフガニスタンでは、世界文化遺産・バーミヤンにある東西大仏が、当時のタリバン政権によって2001年に爆破されてしまい...

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野鳥を育む平城宮跡

野鳥を育む平城宮跡

平城宮跡を彩ったソメイヨシノも今は葉桜となり、眩しい新緑で覆われています。 春を告げる野鳥のさえずりが高らかに響き渡り、繁殖の準備を始める5月、夏鳥たちが姿を現し始めています。 「ピーチュル、ピーチュル」 甲高いさえずりに空を見上げると、停空飛翔している「ヒバリ」を見つけることができます。...

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全国遺跡報告総覧:三重県斎宮歴史博物館 の文化財調査報告書を公開

全国遺跡報告総覧:三重県斎宮歴史博物館 の文化財調査報告書を公開

三重県斎宮歴史博物館 の文化財調査報告書を公開しています。 斎宮跡の報告書があります。     ・史跡斎宮跡 平成27年度発掘調査概報 http://sitereports.nabunken.go.jp/19439 ・斎宮跡発掘資料選 http://siterepo...

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坂田寺跡出土の銭貨

坂田寺跡出土の銭貨

2017年5月   奈良県高市郡明日香村にある坂田寺跡は、鞍作氏の氏寺で、飛鳥を代表する尼寺とされる坂田寺の遺跡です。今回は、ここから見つかった地鎮の銭貨をご紹介しましょう。  1986年の発掘調査でみつかった土坑SK160からは、合計291枚もの銭貨、金箔・琥珀玉・ガラス玉などの玉類、銅鈴...

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(167)被災資料が伝える教訓

(167)被災資料が伝える教訓

物だけでなく情報も守る  東日本大震災から昨日でちょうど6年。津波被害にあった博物館などでは、被災地の方々や全国の関係者によって文化財の修復事業が今も続けられており、多くの被災文化財がよみがえりました。  しかし、未(いま)だに泥の中から救出されたままの状態の文化財があります。それは、発掘調査で...

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旧石器人は

旧石器人は"粉もん"を食べたか?

2017年5月   大学院在学中から、ずっと山東、山西、河北、河南といった中国華北地域で調査をしています。この地域の主食は、伝統的に小麦粉やアワなどの雑穀の粉から作った食品(粉食)です。2週間にわたって華北各地を回って調査をした際に、最後に北京に戻ってくるまで、とうとう一粒の米も食べなかったこともあ...

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全国遺跡報告総覧:三重県鈴鹿市 の文化財調査報告書を公開

全国遺跡報告総覧:三重県鈴鹿市 の文化財調査報告書を公開

三重県鈴鹿市 の文化財調査報告書を公開しています。 伊勢国府跡の報告書があります。     ・伊勢国府跡12 http://sitereports.nabunken.go.jp/19399     ・伊勢国府跡18 http://sitere...

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全国遺跡報告総覧:考古学ビッグデータの定量的可視化:日本の発掘調査成果を1枚の画像で表現すると?

全国遺跡報告総覧:考古学ビッグデータの定量的可視化:日本の発掘調査成果を1枚の画像で表現すると?

本日、2件の機能を公開しました。 今後、報告書データのデータ量が増大していく状況において、膨大なデータから適切に情報アクセスできる環境の提供を目指すものです。     ■機能①【発掘調査報告書の頻出用語俯瞰図】 ・URL http://sitereports.na...

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(166)箸を使う

(166)箸を使う

平城宮貴族が始まり  みなさんいつも何を使って食事をしていますか?  箸、スプーン、フォーク......。いろいろありますが、一番使うのは箸ではないでしょうか。  実はこの箸、お隣の中国から飛鳥時代に伝わってきたもので、遣隋使が持ち帰ったともいわれています。では、それまではどうやって食事をして...

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全国遺跡報告総覧:2016年度の利用実績

全国遺跡報告総覧:2016年度の利用実績

2016年度、全国遺跡報告総覧をたくさんのかたにご利用いただきました。 利用実績は下記の通りです。   2016年度実績(2016.4.1~2017.3.31) ダウンロード数 841770 (前年比160%) 登録件数 18838 (前年比2908件登録)   ...

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(165)平城宮跡出土の木製容器

(165)平城宮跡出土の木製容器

曲物 日本オリジナル?  白木の木目が美しい曲げわっぱ。スギなどの針葉樹の薄板を曲げて容器にした「曲物(まげもの)」の一種です。現代では伝統工芸品となっていますが、曲物は日本では古代から日常的に使われていた道具でした。  私たちが発掘調査している平城宮跡(奈良市)からも、たくさんの曲物が見つかっ...

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起きあがる古代の記憶

起きあがる古代の記憶

2017年4月   墨で文字のかかれた木札を木簡(もっかん)と呼びますが、文字を消すために木簡の表面から刃物で薄く削りとられた細片のことを、とくに削屑(けずりくず)と呼びます。1cmに満たないほど小さなものも多い削屑ですが、表面に少しでも文字が残っていれば、立派な文字資料です。奈文研の研究員た...

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平城宮跡資料館 平成28年度 春期企画展「発掘速報展 平城2016」リーフレット

平城宮跡資料館 平成28年度 春期企画展「発掘速報展 平城2016」リーフレット

平城宮跡資料館 平成28年度 春期企画展「発掘速報展 平城2016」リーフレット を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/19363   ...

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「奈文研ニュースNo.64」

「奈文研ニュースNo.64」

「奈文研ニュースNo.64」(NABUNKEN NEWS No.64)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/19360   目次 ・韓国国立文化財研究所との共同研究(清野 孝之)...

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(164)瀬田遺跡の円形周溝墓

(164)瀬田遺跡の円形周溝墓

県内最古の前方後円形  2016年春、橿原市の瀬田遺跡で、弥生時代の終わり頃に造られた「円形周溝墓(えんけいしゅうこうぼ)」が見つかりました。円形の墳丘の南側に台形の陸橋がとりついており、古墳時代の「前方後円墳」にそっくりです。全長はおよそ26メートル、墳丘の直径は約19メートル。残念ながら、墳丘...

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全国遺跡報告総覧:ディスカバリーサービスのEDSが全国遺跡報告総覧に対応

全国遺跡報告総覧:ディスカバリーサービスのEDSが全国遺跡報告総覧に対応

様々な学術情報資源を同一のインターフェースで検索できるディスカバリーサービスの1つであるEDS(EBSCO Discovery Service)と全国遺跡報告総覧でデータ連携を開始しました。 EDSから全国遺跡報告総覧を検索することができます。   EDS導入機関におかれましては...

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桜の開花状況2017(満開)

桜の開花状況2017(満開)

平城宮跡の桜の開花状況をお知らせいたします。 先週から気温がぐんぐん上昇し早くも見頃を迎えている宮跡の桜ですが、長らく雨の日が続いていますね。 このように3月下旬頃から4月上旬にかけて葉の花(菜種)が咲くころに降り続ける雨を「菜種梅雨」とよびます。 硬くなった大地を潤し、芽吹きを迎えた植物には恵みの...

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「平城宮跡資料館2017年度展示カレンダー」

「平城宮跡資料館2017年度展示カレンダー」

「平城宮跡資料館2017年度展示カレンダー」を公開しました。 PDFで閲覧いただけます。 ダウンロードしてぜひご利用ください。 https://repository.nabunken.go.jp/dspace/handle/11177/6285 ...

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桜の開花状況2017(三分咲き)

桜の開花状況2017(三分咲き)

平城宮跡の桜の開花状況をお知らせいたします。 奈良地方気象台は4月3日に桜の開花を発表しました。昨年より11日遅い開花となりました。 桜が開花する条件の一つとして「冬の寒さ」が必要ですが、暖冬の影響でしょうか、全国的に遅い傾向にあるようですね。 平城宮跡の桜は三分咲きの状態です。今週末から来週にかけ...

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日本庭園史話

日本庭園史話

2017年4月   森蘊という人物はご存知ですか?  ご存知ない方はまずその名前の読み方に悩まされるでしょう。蘊蓄の「蘊(うん)」と書いて「おさむ」と読みます。確かに、珍しい名前です。  森蘊は1905年、東京立川市に森家の6男として生まれました。兄弟も順番に秀、喬、禎、榮、實と、みな一文...

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