平城宮跡を散策しているとたくさんの野鳥に出会うことができます。
梅林や草原、湿地が広がる豊かな自然環境が多種多様な野鳥たちの生息場所になっているのです。
今回はその中からキツツキの仲間の「アリスイ」をご紹介したいと思います。
アリスイはキツツキ科アリスイ属の鳥で、日本では夏に繁殖のため北海道、本州北部に飛来し(夏鳥)、冬は越冬のため本州中部以西に飛来(冬鳥)します。
体長はスズメよりやや大きく、全身は灰褐色で背面には赤茶色や黒茶色のウロコのような斑紋があります。
名前が似ている哺乳動物「アリクイ」と同様、10㎝もの長い舌を出して大好物のアリを食べます。そのため餌場となる地面や地上近くの枝の上で見ることの多い野鳥です。
キツツキの仲間ですが、枝に水平に止まり、巣穴を掘らずに他のキツツキの古巣で卵を産みます。
そして、巣のヒナを守る際には、首をくねらせてチョロチョロと長い舌を出し、天敵の蛇のようにシューシューと威嚇するそうです。その姿はまるで爬虫類のようでもあり、奇妙な生態の持ち主であるにも関わらず、実はとても人気のある野鳥なのです。
梅がほころび始める頃、梅林付近では大勢の人々がカメラを携え、アリスイの姿をおさめようとじっと待ち構えておられます。平城宮跡で観察できるアリスイは個体数が少ないため、出会えた時の喜びもひとしおです。
ほどなく桜の季節が到来します。お花見の傍ら、野鳥観察をされてみてはいかがでしょうか。
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(2017年3月3日) |
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(2017年3月3日) |
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(2017年3月10日) |
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(2017年3月16日) |
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(2017年3月16日) |
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![]() (2017年3月22日) |
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撮影場所 |