なぶんけんブログ|奈良文化財研究所に関する様々な情報を発信します。

(56)庭園に思い描くパラダイス

(56)庭園に思い描くパラダイス

 世界的によく知られる「日本庭園」。その起源は古代にさかのぼります。平城宮や平城京の跡からは、自然風の形をした池をもつ奈良時代の庭園の跡が数多く発掘されています。庭園の中心となる池は、大海に見立てられ、岬や入り江が連なり、石組みや島をもつものもありました。小石が敷き詰められた緩やかな斜面の池辺が...

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(55)木とんぼとコマ

(55)木とんぼとコマ

くるくる 古代人の工夫  1984年、平城宮の内裏の東を流れる奈良時代後半の水路から、現在の竹とんぼによく似たプロペラ形をした遺物が出土しました。素材は竹ではなくヒノキであったため、竹とんぼならぬ「木とんぼ」と命名されました。中央の小さな孔(あな)をはさんで、風切り用の羽根を左右対称に削り出す点は...

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「奈文研ニュースNo.54」

「奈文研ニュースNo.54」

「奈文研ニュースNo.54」(NABUNKEN NEWS No.54)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go.jp/publication/nabunkennews.html 目次 ・「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計...

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第115回公開講演会の開催

第115回公開講演会の開催

去る、平成26年10月4日(土)に第115回公開講演会が当研究所平城宮跡資料館講堂において開催されました。 初めに松村所長による挨拶と引き続いて「和同開珎1文の価値は?」と題しての特別講演、次に芝研究員による「植物種実からみた古代の食生活」、惠谷研究員による「文化的景観の味わい方」と題しての講演があ...

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東院庭園観月会―天平三年絵巻―を開催いたしました

東院庭園観月会―天平三年絵巻―を開催いたしました

9月27日(土)に東院庭園『よみがる古都の宴―天平三年絵巻―』を開催しました。約130名の方々にお越し頂いて、東院庭園の役割、古代の饗宴の様子など、古代の観月遊興の様子を再現することにより、ご来場頂いた皆様方には幽玄の夕べを楽しんでいただけかと存じます。 盛況のうちに、無事終了しましたことを感...

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(54)平城京のメインストリート

(54)平城京のメインストリート

朱雀大路 威信の劇場  近鉄電車で大和西大寺駅から近鉄奈良駅方面へ向かうと、左手やや遠方に平城宮の正殿である第一次大極殿、右手に平城宮の正門である朱雀門の復元建物を見ることができます。この二つの建物は、南北に一直線に並びますが、奈良時代には朱雀門からさらに南に真っすぐ延びる朱雀大路というメインスト...

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(53)描かれたのは鬼か疫病神か

(53)描かれたのは鬼か疫病神か

人面墨書土器 厄は外!  奈良時代には、少し不思議な風習がありました。土器に墨で人の顔を描き、何かのまじないをおこなってから川などに流す、という風習です。このときに用いた土器を、「人面墨書(じんめんぼくしょ)土器」と呼んでいます。使われた土器は煮炊き用の土師器(はじき)の甕(かめ)が多く、甕のかた...

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製作地をさぐる難しさ

製作地をさぐる難しさ

2014年10月  遺跡から出土した遺物が、どこで製作されたのかは、常に研究者が意識する課題の一つです。その遺跡が工房などの製作址であれば別ですが、遺物は廃棄場所や使用場所から出土することが多いため、にわかに製作地がわかるケースは非常に少ないと言えます。  考古学の研究者が製作地を追求する際には、ま...

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(52)土器に書かれた文字

(52)土器に書かれた文字

給食用 裏に役所名  平城宮跡から出土する土器の中には、墨で文字を書いたものがあります。これを墨書土器と呼んでいます。  書かれているのは、役所名や官職名、人名、数字、器の名前や内容物などさまざまです。また、同じ字を繰り返し練習したものや、落書き、意味不明の記号などもあります。  この中で、役...

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(51)一日の労働の対価

(51)一日の労働の対価

「お疲れさま」と米9合  大勢の人がつどう都・平城京では、たくさんの、そしてさまざまな仕事が必要とされました。街に出てみましょう。工事現場で働く人々や荷物の運送業者、仏像造りの職人から洗濯を請け負う女性まで、本当にいろいろな人がいます。  奈良時代、労働者たちには給料として、お米や塩などの食料が...

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「平城京ビックリはくらんかい」終了しました

「平城京ビックリはくらんかい」終了しました

9月も終わりに近づき、すっかり涼しくなりましたね。 おかげさまで、先週日曜日に夏期企画展「平城京ビックリはくらんかい-奈良の都のナンバーワン-」が 無事に終了しました。 今年の夏もうだるような暑さでしたが、子どもから大人まで毎日たくさんの方々に平城宮跡資料館へ お越しいただきました。 ...

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(49)みほとけの年輪

(49)みほとけの年輪

木材の情報 渦巻く  仏像の素材は様々です。なかでも木を用いた木彫仏は日本人に好まれたようで、平安時代以降の仏像のほとんどは木彫像です。年輪年代法はこうした木彫像にうってつけの調査手法です。  具体例を挙げましょう。奈良・東大寺南大門の仁王像は、2000以上もの部材を組み上げた巨大な木彫像です。...

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埋蔵文化財ニュースNo.8~9,12,14~15,20~21,25~27,29~30,32~33

埋蔵文化財ニュースNo.8~9,12,14~15,20~21,25~27,29~30,32~33

埋蔵文化財ニュースNo.8~9,12,14~15,20~21,25~27,29~30,32~33(CAO NEWS Centre for Archaeological Operations)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go....

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瓦礫は語る

瓦礫は語る

2014年9月  瓦礫の山というと、廃材が山積している様子が思い浮かびます。奈良文化財研究所の収蔵庫はまさに瓦礫の山です。といっても、もちろんコンテナには入っていますが。収蔵庫の瓦は、瓦礫といえども飛鳥時代から奈良時代を中心とし、近代にまでいたる大切な考古資料です。つまらないものの例えとして瓦...

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埋蔵文化財ニュース「No.1」~「No.4」「No.6」

埋蔵文化財ニュース「No.1」~「No.4」「No.6」

埋蔵文化財ニュース「No.1」~「No.4」「No.6」(CAO NEWS Centre for Archaeological Operations)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go.jp/publication/maibu...

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(48)平城京の人口と役人たち

(48)平城京の人口と役人たち

職種のるつぼ 外国からも  現代の都市は、人口が多いほど、あるいは人口密度が高いほど、大きな都市とみなされます。奈良県最大の都市である奈良市の人口は、現在36万人です。  では、奈良時代最大の都市、平城京の人口は何万人だったのでしょうか。古くは20万人と推定されましたが、最近では5~10万人と考...

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(47)古代のボーナス-季禄の品々

(47)古代のボーナス-季禄の品々

古代のボーナス―季禄の品々 現物支給 市場で交換も  今日のサラリーマンのボーナスは、明治時代に始まったとされています。ところが、藤原宮や平城宮で働く古代の役人にも「季禄」とよばれるボーナスがありました。  律令の規定によると、季禄は年に2回、2月と8月に支給されました。支給されたのはあしぎ...

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奈良文化財研究所学報第62冊「史跡頭塔発掘調査報告」

奈良文化財研究所学報第62冊「史跡頭塔発掘調査報告」

奈良文化財研究所学報第62冊「史跡頭塔発掘調査報告」(REPORT OF ARCHAEOLOGICAL INVESTIGATIONS INTO THE ZUTO STUPA,NARA,JAPAN)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken....

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奈良文化財研究所学報第26冊「平城宮発掘調査報告VⅡ 内裏北外郭の調査」

奈良文化財研究所学報第26冊「平城宮発掘調査報告VⅡ 内裏北外郭の調査」

奈良文化財研究所学報第26冊「平城宮発掘調査報告VⅡ 内裏北外郭の調査」(NARA (HEIJO) IMPERIAL PALACE SITE EXCAVATION REPORT VII SURVEYS lN THE "DAIRl NORTH EXTERIOR PRECINCT" CARRIED ...

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(46)文字の上手下手

(46)文字の上手下手

ほんとに読めた?  奈良時代のお経。1点1画が丁寧に書き写され、大きさもほぼ均等で、まるで活字のようです。奈良時代の人たちは、みなこのように美しく整った字を書いたのでしょうか。  全国各地から平城宮へ運ばれた荷札の文字をみてみましょう。写真1の木簡は、お経のように整った文字の木簡です。でも、この...

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