なぶんけんブログ|奈良文化財研究所に関する様々な情報を発信します。

古代のリサイクル -鋳型によるガラス小玉の生産-

古代のリサイクル -鋳型によるガラス小玉の生産-

2015年1月  「たこ焼き型鋳型」と呼ばれることもある特殊な土製品をご存知でしょうか。まさに現代のたこ焼き器のように片面にたくさんの穴のあいた板状の土製品で、古墳時代から奈良時代の遺跡から発見されています。この土製品、実はガラス小玉を作るための鋳型として使用されていました。鋳型といっても、と...

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(81)古代の薬

(81)古代の薬

1300年 変わらぬ医療  古代の人々にとって、薬は非常に高価で、現代ほどに生活に身近なものではありませんでした。古代の都を発掘調査すると、天皇や貴族のすまいの近くや、役所付近でしか、薬を用いた様子を確認できません。平城宮には内薬司(ないやくし)や典薬寮(てんやくりょう)という薬を扱う役所があり、...

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(80)南島の木簡

(80)南島の木簡

日本のはずれ 人や物往来   鉄砲伝来の地として有名な種子島。この島には古来、海の向こうから様々な文物がいち早く到来しました。一方それは、島が地理的に日本のはずれに位置することも意味します。奈良県に暮らす私たちにとって、訪れる機会はあまり多くないかもしれません。   でも、奈良時代、平城京と種子...

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藤原京の京域

藤原京の京域

2015年1月  奈文研が継続的に調査をおこなっている藤原京は、日本初の本格的な中国式都城です。  藤原京の中心となる藤原宮は約1㎞四方の広さで、その宮の周囲には条坊道路が碁盤目状に通っていました。  では藤原京は一体どのくらいの大きさだったのでしょうか?  実は、藤原京の大きさはまだわ...

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(79)みんなに知らせる告知札

(79)みんなに知らせる告知札

迷子捜す心情変わらず  人通りの多い場所で、人捜し、ペット捜しのポスターやチラシを目にしたことがありませんか?  私たちはこのようにして目撃情報を集めますが、古代はどうだったのでしょうか。  実は、古代の人も同じようなことをしていました。皆に告げ知らせるという意味の「告知」と書いた告知札が使わ...

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「奈文研ニュースNo.55」

「奈文研ニュースNo.55」

「奈文研ニュースNo.55」(NABUNKEN NEWS No.55)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go.jp/publication/nabunkennews.html   目次 ・「平城第530次発掘...

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(78)土器の生産地と平城京

(78)土器の生産地と平城京

土師器製作 女性の仕事  平城京で日常的に使用された土器には、素焼きで赤っぽい色の土師器(はじき)と、窯で焼かれた灰色の須恵器があります。このうち須恵器は、大阪府や奈良県の窯で焼かれたもののほかに、遠く愛知県や岐阜県でつくられ、都に運ばれてきたものもありました。  一方、土師器は、その多くが平城...

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(77)奈良三彩と唐三彩

(77)奈良三彩と唐三彩

巧みに日本風アレンジ  アメリカ版のドラえもんは、ピザが好物なんだとか。他の文化を取り込む時に、自国の文化に合うようにアレンジすることは、古代からよく見られることです。  中国では、紀元前にはすでに土器の表面に、釉薬(ゆうやく)を塗る技術がありました。これが日本に伝わるのは、飛鳥時代。朝鮮半島の...

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国宝高松塚古墳壁画修理作業室の公開 二次募集

国宝高松塚古墳壁画修理作業室の公開 二次募集

 国宝高松塚古墳壁画修理作業室の公開 二次募集いたします。  国宝高松塚古墳壁画仮設修理施設において、壁画・石材の修理作業を行っている「修理作業室」を公開します。制約された条件の下での公開となりますが、修理期間中の壁画・石材の状況を公開することにより、国民の皆様の壁画保存対策事業への理解を深め...

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(76)最大最小の木簡

(76)最大最小の木簡

用途に応じサイズ色々  奈良時代の役人たちが仕事で字を書くために使った木簡。書かれている内容に目が行きがちですが、今回は木簡の大きさに注目してみましょう。  木簡には用途に応じて色々なサイズがありました。おおざっぱにいうと、片手で持って字を書きやすい長さのものが多いと言えるでしょう。  では、...

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(75)フォトマップって何

(75)フォトマップって何

こつこつ分割撮影合成  漢字で書けば写真地図。カタカナよりわかりやすいでしょうか。最近では、写真と撮影位置情報を連動させ、インターネットの地図上で表示したものもフォトマップと呼ぶようです。  しかし、奈文研が取り組むフォトマップは少し違います。極彩色壁画で有名な高松塚古墳とキトラ古墳では、石室内...

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埋蔵文化財ニュースNo.13,145,146,149,153,154,156,157

埋蔵文化財ニュースNo.13,145,146,149,153,154,156,157

埋蔵文化財ニュースNo.13,145,146,149,153,154,156,157(CAO NEWS Centre for Archaeological Operations)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go.jp/pub...

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藤原宮内先行条坊の謎

藤原宮内先行条坊の謎

2014年12月  ふしぎなことに、藤原宮の下層では藤原京に敷設されたものと同じ規格の条坊道路が通されています。藤原宮に先行する条坊という意味で「(宮内)先行条坊」とよんでいます。 分かりやすい例で見てみましょう。藤原宮大極殿です。下の写真は、大極殿の北側でおこなった発掘調査の様子で、大極殿址を北か...

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「藤原宮東方官衙の発掘調査(飛鳥藤原第183次調査)」現地見学会資料

「藤原宮東方官衙の発掘調査(飛鳥藤原第183次調査)」現地見学会資料

「藤原宮東方官衙の発掘調査(飛鳥藤原第183次調査)」現地見学会資料 を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/14925 1ページ目...

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埋蔵文化財ニュースNo.117,121,125,129,133,137,140,141

埋蔵文化財ニュースNo.117,121,125,129,133,137,140,141

埋蔵文化財ニュースNo.117,121,125,129,133,137,140,141(CAO NEWS Centre for Archaeological Operations)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go.jp/pu...

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埋蔵文化財ニュースNo.101~103,107,112,114

埋蔵文化財ニュースNo.101~103,107,112,114

埋蔵文化財ニュースNo.101~103,107,112,114(CAO NEWS Centre for Archaeological Operations)を電子公開しました。 本文をPDFで閲覧いただけます。 https://www.nabunken.go.jp/publication/ma...

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晩秋の庭

晩秋の庭

飛鳥資料館では、秋の特別展も終了し、冬の企画展「飛鳥の考古学2014―縄文・弥生・古墳から飛鳥へ―」の準備に邁進しております。資料館の庭では、名残の黄葉が冬の訪れを告げています。人影もまばらなこの時期、空気も凛と張り詰めています。 朝靄に煙る山々を背景に、皇帝ダリアが美しく咲いていました。雨もまた良...

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(74)姿を現した西の大寺(下)

(74)姿を現した西の大寺(下)

二つの金堂 回廊ぐるり  西大寺の境内を散策すると、本堂の目の前に東塔の基壇があります。それでは創建時の金堂はどこにあったのでしょうか。奈良時代の財産目録である『西大寺資財流記(るき)帳』をみると、西大寺には薬師金堂と弥勒(みろく)金堂という二つの金堂があり、その周囲を回廊がめぐっていたことが記録...

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(73)姿を現した西の大寺(上)

(73)姿を現した西の大寺(上)

八角塔 謎めいた説話  小学校の教科書にも出てくる東大寺に比べると、西大寺は少し影が薄いかもしれません。とはいえこの西大寺、奈良時代後半に称徳天皇によって造営された当時は、東大寺に並ぶ平城京の西の大寺でした。  その壮大な奈良時代の伽藍(がらん)は、度重なる火災や災害によって次第に失われ、現在の...

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木簡の文字の向こう側―「采女」の合字―

木簡の文字の向こう側―「采女」の合字―

2014年12月  私が所属する史料研究室の主な仕事に、木簡の解読があります。今とほとんど同じ漢字を使っているとはいえ、およそ1300年前の人びとが書いた文字を読み解くのは、なかなか一筋縄ではいきません。私が出会った中で印象に残っている木簡を1点、ご紹介したいと思います。  その木簡は、平城...

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