
ワークショップの様子
7/31(金)、奈良学園中学校・高等学校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の取り組み「奈良学ゼミ」に奈良文化財研究所が協力し、『文化財×自然科学:モノの3D化が拓く探求の世界-カタチが分野を超えるとき-』と題したプログラムを実施しました。この企画は一昨年から継続して実施している第3弾の取り組みで、奈良学園近隣の大学・研究所や博物館などを生徒が訪問し、「ホンモノに触れる・体験する」、「専門家から直接講義や指導を受ける」機会を提供することで、興味をもっていることをより深く探求するきっかけをつくることを目的としています。今回は、23名の生徒が来所しました。
ワークショップの様子
フォトグラメトリに関する講義と遺物の取り扱い方の説明の後、奈良学園の生徒が持参したタブレットを使用し、ワークショップ形式で、平城宮大極殿跡(奈良時代の日本の中心の中心)から出土した瓦のフォトグラメトリに挑戦しました。まず、遺物を肉眼でじっくりと観察した後、タブレットを使った瓦の3D化を行いました。生徒たちは、自らが作製した3Dモデルと実物を見比べながら、観察したい箇所を自由に拡大するなど、驚きや楽しさを実感している様子でした。
ブレインストーミングの様子
さらにまとめとしてブレインストーミングを行い、体験したフォトグラメトリをどのように活用していきたいか、付箋に意見を書いてパネルに貼り出しました。ブレインストーミングの結果を整理すると、生徒たちは単なる「3Dモデル作成」そのものよりも、「観察」「保存・記録」「再現」「体験の拡張」といった活用方法に関心を示していたことがうかがえました。今後もこのような取り組みを継続し、科学技術を用いた文化財に関する研究成果の社会への浸透や、次世代の人材育成につなげていきたいと考えています。
(埋蔵文化財センター主任研究員 山口 欧志)
(都城発掘調査部(平城地区)主任研究員 川畑 純)
(埋蔵文化財センター環境考古学研究室アソシエイトフェロー 坂本 匠)
(埋蔵文化財センター年代学研究室長 星野 安治)
