2025年11月1日(土)から3日(月・祝)まで、ならファミリーのらくだ広場でなぶんけんミュージアムを開催いたしました。この催しは今年9月に西隆寺出土木簡が重要文化財に指定されたことを記念し、まさに西隆寺木簡が出土した西隆寺=ならファミリーの地で、ワークショップ、西隆寺の遺跡をめぐるガイドツアー、発掘体験、パネル展などを実施しました。
ワークショップは、素焼きの駱駝と塼仏に色を付ける体験です。らくだは、ならファミリーのモチーフ、塼仏は西隆寺出土品をモチーフにして、用意しました。お好きな方を選んでもらい、自由に色を付けていただきました。みなさん、個性的ならくだや塼仏に仕上げていただけました。

ワークショップの様子

完成した塼仏
ガイドツアーには小学生から大人の方まで幅広く参加いただき、東門、金堂院東北隅、南面築地塀、塔跡を30分ほどで巡りました。ほとんどの方が、説明版や遺跡の表示があることをご存じなく、説明するたびに驚きや感心の声があがりました。また、歩きながら金堂の位置や寺院全体の広さを説明し、実際の建物(ならファミリーや多くのテナントビル)の下に寺院の建物が広がっていたことを想像していただき、西隆寺の存在とその歴史に関心をもってもらうことができました。

ガイドツアーの様子
発掘体験は特大のプラスチックの船に、本物の砂を充填し、その中から遺物を発掘し、遺物の接合までをおこなう体験です。砂の中には丸瓦、平瓦、人面墨書土器、木簡、銭など、様々な遺物が埋まっており、参加者は実際の発掘でも使用するスコップを使って掘り出しました。発掘のあと、自分で発掘した土器や瓦の接合作業をおこないました。発掘品はすべてレプリカですが、実際の瓦や、素焼きの土器を使った、本格派。完成形の見本を見ながら組み上げてもらい、破片と破片がカチッと組み合う体験を味わってもらえました。最後には完成した発掘品と、記念写真を撮りました。発掘体験は好評で、子供から大人まで、土の中から遺物が出土する、考古学のワクワクを体験していただけました。

発掘体験準備中!

発掘体験の様子
今回は、ならファミリーでの開催のため、買い物ついでにふらっと訪れた方もいらっしゃいました。12月11日(木)からは平城宮跡資料館で、冬期特別展「尼寺造営-西隆寺跡出土木簡重要文化財指定記念-」が始まります。平城宮跡資料館は入館無料ですので、ぜひふらっと訪れていただければと思います。
(都城発掘調査部 浦蓉子)
