第16回写真コンテスト「飛鳥のたてもの」メインビジュアル
毎年夏に開催している飛鳥資料館の写真コンテスト作品展が今年もいよいよスタートします。16回目を迎えた今回は、飛鳥資料館の開館50年を記念し、悠久の歴史とともに人々の暮らしやなりわいを支えてきた飛鳥地域の建物、そして開館から50年ものあいだ当館の活動を支えてきた飛鳥資料館の建物にフォーカスを当て、「飛鳥のたてもの」というテーマで作品を募集しました。
ここでは、飛鳥資料館の写真コンテストについて、作品審査から作品展スタートまでの学芸室のお仕事裏話を交えながらご紹介します。
飛鳥資料館の写真コンテストとは?
飛鳥資料館の写真コンテストは、2011年に「奥飛鳥の文化的景観」が国の重要文化的景観に選定されたことをきっかけに始まりました。写真の撮影や鑑賞をとおして実際に現地に足を運んでもらうことで、飛鳥地域の魅力の再発見につながればと、応募作品の撮影エリアを飛鳥地域に限定しています。そのため、募集する作品の撮影テーマも「飛鳥の音」(第15回)や「飛鳥のくらし」(第14回)というように毎年「飛鳥」にちなんだテーマとなっています。
怒涛の1週間~作品審査から展示が始まるまで~
作品展の展示風景(第14回「飛鳥のくらし」)
ここからは、写真コンテストの応募作品がどのように展示されていくのか、学芸室のお仕事の一部をご紹介します。
まず、作品の募集が終わるとすぐに審査が始まります。今回の審査では、飛鳥資料館の職員のほか、奈良文化財研究所の写真室や景観研究室、建造物遺構研究室のメンバーの協力を得て、作品の主題や構図、色味や写真プリントの品質などの観点から審査をおこないました。
次に、審査が終わるといよいよ作品の展示作業に移ります。審査終了から作品展がスタートするまでの期間は、例年わずか1週間ほど。この短期間で額装やパネルに仕立てた作品とキャプションを準備し、展示作業をおこないます。写真コンテスト作品展が他の展示と大きく異なるのは、作品審査が終了してから展示計画を立て、急ピッチで展示を仕上げる点です。
応募作品を展示できるように仕立てる作業と並行して、展示室では担当者が展示レイアウトを決めていきます。サイズが異なる作品をどう組み合わせるか、どの高さを基準にすると見やすいか、作品の色味や被写体を引き立たせるにはどうしたら良いか......。この作業は、短い準備期間の中でも担当者が一番頭をフル回転させる作業かもしれません。
展示作業の様子(第15回「飛鳥の音」)
さいごに展示レイアウトが確定すると、学芸室のメンバー総動員で作品とキャプションを壁にピンで固定し、スポットライトを調整しながらライティング作業もおこないます。
このような怒涛の1週間を経て開催する写真コンテスト作品展ですが、今年も四季折々の美しい飛鳥の風景や、はっとするような飛鳥での一コマを写した魅力的な作品が数多く集まりました。「飛鳥のたてもの」をテーマにした多彩な写真作品をとおして、飛鳥地域の魅力を感じていただければ幸いです。
(飛鳥資料館学芸室アソシエイトフェロー 濵村 美緒)
【開催案内】
*飛鳥資料館第16回写真コンテスト「飛鳥のたてもの」作品展
会期:7月18日(金)~9月23日(火・祝)
来館者投票期間:7月18日(金)~8月20日(水)
詳細はこちら➡ 飛鳥資料館第16回写真コンテスト「飛鳥のたてもの」特設ページ
会期中には、日光を利用した日光写真づくりイベントも開催予定です!
*関連イベント「日光写真をつくろう」
日時:7月31日(木)11:00~/14:00~、8月2日(土) 11:00~/14:00~
(各回とも事前の申し込みは不要、イベント受付は各回30分前から)