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野鳥探訪 -磯鵯(イソヒヨドリ)-

 今回ご紹介する野鳥は、早春から初夏にかけて平城宮跡で幾度となく美しい姿を披露してくれました「磯鵯(イソヒヨドリ)」です。IMG_8859_2.jpg                    2021年2月撮影(以下同)

 「イソヒヨドリ」はスズメ目ヒタキ科に分類される野鳥です。その姿は「ヒヨドリ」「梅便り2019(満開)2019年3月8日参照)に似ており、磯などの岩場のある沿岸地域に生息することから「イソヒヨドリ」と命名されました。

 本来は主に沿岸地域に生息する野鳥ですが、近年は地方都市などでも繁殖が確認されるようになり、大都市圏で目撃されることも珍しくありません。

 雄は頭部から喉または背部が鮮やかな青色、腹部は赤褐色、翼は黒青色と鮮やかに色分けされます。雌は特徴的な体色をもつ雄とは違い、上部は灰褐色、腹部は黄褐色で鱗模様があります。

 梅の蕾が膨らみ始めた2月下旬、一羽の雄のイソヒヨドリが第一次大極殿院南西のヨシ原周辺に頻繁に姿を現すようになりました。野鳥の多くは人の気配を感じると姿を隠しますが、このイソヒヨドリは人を恐れることなく、自ら被写体を希望するかのように愛らしい仕草で近寄ってくる珍しい個体です。

 季節は巡り、梅雨真っ最中の6月某日。久しぶりに訪れた宮跡の某所にて、イソヒヨドリの幼鳥と思われる個体が一羽誕生していました。あいにく撮影当日は親鳥の姿を見つけることは叶いませんでしたが、幼鳥はしきりに口を開けては餌が運ばれてくるのを待ちわびている様子でした。

 巣立った幼鳥がやがて成鳥となり、再び平城宮跡で命を育む姿を見ることができるかもしれません。

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2021年6月撮影(以下同)

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イソヒヨドリの幼鳥(以下同)

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撮影場所
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