中央祠堂ラテライト基壇編
西トップ遺跡の調査修復事業では、2015年末に南祠堂再構築、2017年末に北祠堂再構築をそれぞれ完了し、2018年1月より中央祠堂の解体修復調査をおこなっています。2018年1月中に、崩壊が進んでいた中央祠堂屋蓋部の解体と仮組作業を終え、順次躯体部の解体へと進みました。2018年度末からは基壇部の解体作業をおこなっています。
基壇の解体調査において重要視していたのが、砂岩外装の内側に存在すると考えられてきたラテライト製基壇の存在です。これは過去に「通信」でもお伝えしたとことでしたが(西トップ通信14)、20世紀初頭のフランス人研究者アンリ・マルシャルにより、中央祠堂砂岩製基壇の内側には一段階古いラテライト製基壇が眠っているとされてきました。
いざ、私たちの調査で砂岩外装を順次解体していくと(写真1)、その全貌が明らかになりました。マルシャルが唱えた通り、砂岩外装の内側に明らかにモールディング(刳り方)を施した基壇が現れたのです(写真2)。
つまり、ラテライト基壇が先に構築され、その後にラテライト基壇をまるごと覆う形で、砂岩の基壇が構築されたものと考えられます。ラテライト基壇の建立時期、砂岩製基壇との時期差については、今後詳細な検討をしていく予定です。
今回検出されたラテライト基壇は解体せず保存し、砂岩外装の再構築にうつります。
写真1 ラテライト基壇調査風景
写真2 ラテライト基壇検出状況(北東から)