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キンモクセイの香る季節

 平城宮跡では今、キンモクセイ(金木犀)が満開を迎え、見ごろとなっています。

 宮跡に赴くと、秋の爽やかな風にのってキンモクセイの甘く芳しい香りが漂ってきます。

 キンモクセイは日本古来の植物ではなく、江戸時代に中国から伝来したといわれています。

 キンモクセイ(金木犀)の名前の由来は、樹皮が動物のサイ(犀)の皮膚に似ていて金色の花が咲くところから名付けられたそうです。花や香りばかりに注目してしまいますが、名前の由来を知りますと樹皮をじっくりと眺めてみたくなりますね。

 キンモクセイは雌株と雄株が個別に存在する雌雄異株(しゆういしゅ)とよばれる植物で、同様のものにはイチョウ(過去記事参照)やヤナギなどがあります。

 イチョウは秋になると結実します。皆さまもよくご存じの銀杏ですね。では、キンモクセイの実をご覧になった方はおられますか?

 日本では庭木や生垣などに利用される身近な植物ですが、雄株ばかりのため結実はしません。中国から伝来した際、花と香りを鑑賞する目的で雄株が選ばれ繁殖が繰り返された結果、日本では雄株ばかりになったのだといわれています。挿し木という方法で容易に増やすことができたため、種子は必要とされなかったのでしょう。

 花の開花期間は短く1週間ほどですので、ぜひ宮跡にお越しください。優しい香りに包まれながら散策されてみてはいかがでしょうか。

 

 

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キンモクセイと朱雀門

 

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朱雀門付近

 

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キンモクセイの花

 

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キンモクセイの花

 

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玉手門跡付近

 

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玉手門跡付近

 

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キンモクセイと第一次大極殿

 

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指定宮内省付近

 

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遺構展示館付近

 

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平城宮跡資料館付近

 

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梅林付近

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キンモクセイの樹皮

 

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撮影場所
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