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奈良学園SSH「奈良学ゼミ」:文化財×自然科学-ひかり拓本編-

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ひかり拓本ワークショップの様子

7/29(火)奈良学園中学校・高等学校のスーパーサイエンススクール(SSH)の取り組み「奈良学ゼミ」に奈良文化財研究所が協力し、『文化財×自然科学:奈良文化財研究所における文理融合型研究-ひかり拓本編-』と題したプログラムを実施しました。昨年から継続しているこの企画は、奈良学園近隣の大学・研究所や博物館などを生徒が訪問し、「ホンモノに触れる・体験する」、「専門家から直接講義や指導を受ける」機会を提供することで、興味をもっていることをより深く探求するきっかけをつくることを目的としています。今回は遺跡調査技術研究室が担当し、9名の生徒が来所しました。

まず、奈文研の概要を説明した後、ひかり拓本の原理やアプリ開発の状況について講義形式での解説をおこないました。そして後半はワークショップ形式で、スマートフォンを使ったアプリ操作をおこないました。まず、3Dプリンターで作られたレプリカを使って練習をおこないましたが、肉眼ではあまり見えない文字や表面模様が鮮明に観察できるなど、生徒のみなさんはとても驚いている様子でした。操作について十分に慣れた後は、縄文土器の紋様の観察もおこないました。アンケートでも、ひかり拓本アプリを使う楽しさや、もっといろいろなものに試してみたいという意見など、高評価だったようです。今後もこのような企画を継続し、文化財の自然科学的研究の成果を教育現場へも普及していきたいと考えています。

(埋蔵文化財センター遺跡調査技術研究室 研究員(併任)上椙 英之)
(埋蔵文化財センター年代学研究室長 星野 安治)

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