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全国遺跡報告総覧:Internet Archeologyにて考古学デジタルアーカイブ特集号が発表されました

2021年6月2日、Internet Archeology にて特集号「Digital Archiving in Archaeology: The State of the Art」が発行されました。COST Action、SEADDA、European Archaeological Consilium (EAC)が共同で出版しました。

世界20か国22本の論文が掲載されています。各論文は各国の考古学データのデジタルアーカイブについて、根拠となる法制度、技術、取り組み事例、課題などの点について報告しています。

各報告によって、国によって考古学デジタルアーカイブについての取り組みの違いが明らかになりました。考古学の歴史、政府と地方公共団体との関係、行政発掘調査と民間発掘調査等の要素が影響していると考えられます。


○Internet Archeology 特集号「Digital Archiving in Archaeology: The State of the Art」
https://intarch.ac.uk/journal/issue58/index.html

○日本の報告:
Yuichi Takata and Peter Yanase「The Production, Preservation and Dissemination of Archaeological Data in Japan」
https://intarch.ac.uk/journal/issue58/11/index.html


○用語説明
・Internet Archeology
オープンアクセスの考古学に関するジャーナル。デジタルデータを埋め込んだ論文をインターネットで出版公開が可能。
https://intarch.ac.uk/

・COST Action
ヨーロッパの科学技術協力ための政府間枠組み。各プロジェクトは「アクション」と呼ばれる。
https://www.cost.eu/

・SEADDA
Saving European Archaeology from the Digital Dark Ageの略称。考古学データの再利用性を高める取り組みを推進しているプロジェクト。国際パートナーとして奈良文化財研究所(高田祐一文化財情報研究室研究員)が参画しています。
https://www.seadda.eu/

・European Archaeological Consilium(EAC)
文化財(考古学)管理に関するヨーロッパのコンソーシアム。EACのワーキンググループ「Archaeological archives 」とSEADDAは協力関係です。
https://www.europae-archaeologiae-consilium.org/

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