2021年1月23日~3月28日まで、平城宮いざない館企画展示室で、平城宮跡歴史公園第一次大極殿院南門復原整備工事記念特別展として、「鬼神乱舞―護る・祓う鬼瓦の世界―」(主催:奈文研、共催:国交省国営飛鳥歴史公園事務所)を開催しました。
奈良文化財研究所で、これまでまとまって展示されたことがほとんどない、平城宮式鬼瓦と法隆寺の中近世の鬼瓦を展示することで、鬼瓦の歴史をたどる内容でした。
鬼瓦は、建物の棟(大棟・降棟・隅棟など)の端から雨水が染み込まないように設置された板状の瓦のことで、瓦屋根にはなくてはならないものです。(鬼瓦の位置は下の写真を参考にしてください。)
目立つ場所に据えるので、様々な紋様で装飾されました。「鬼瓦」と記述が残るのは、平安時代中期、お寺を建てる材料のメモが最初です。また、鬼の紋様でなくても鬼瓦と呼びます。
ご来場者の方にONG(鬼瓦)総選挙として、お気に入りの鬼瓦に投票してもらいましたが、この場で、結果発表いたします。なお、当選は景品の発送をもって替えさせていただきます。
総じて、「鬼瓦を体感」コーナーの中世の法隆寺の鬼瓦が人気でしたが、第1位に輝いたのは、江戸時代の牡丹獅子をデザインした超絶技巧の細工の鬼瓦でした。
コロナ禍の中の開催でしたが、64日間の開催期間中に31,530名もの入館者がありました。厚く御礼申し上げます。
「鬼神乱舞―護る・祓う鬼瓦の世界―」展示風景
「鬼神乱舞―護る・祓う鬼瓦の世界―」展示風景
なお、展示の詳細を述べたリーフレット『鬼神乱舞―護る・祓う鬼瓦の世界,Legend of Exorcismー』(A4判、25頁フルカラー)を六一書房(https://www.book61.co.jp/)などで絶賛発売中です。是非、ご購入・ご一読ください。
「鬼神乱舞―護る・祓う鬼瓦の世界―」リーフレット(500円)