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「発掘された平城 2019」ギャラリートーク①

 平城宮跡資料館では、2月1日(土)より「発掘された平城 2019」と題して2018年度の発掘調査の成果をご紹介しています。

 今回は、平城宮東院地区、平城宮東区朝堂院、西大寺旧境内、左京二条二坊十五坪の発掘調査と楊梅宮に関する最新の研究成果を取り上げました。

 会期期間中は研究員によるギャラリートークを計4回開催いたします。第1回目(2月7日に開催)は、東院地区と楊梅宮に関するお話でした。寒さとコロナウイルスの影響で来館者数も少ないのでは、と心配していましたが、多くの方にお越しいただきました。

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 東院地区は奈文研が長年にわたり発掘調査している場所ですが、2018年度の調査(第595次)では、火を用いた加熱調理施設と配膳の機能をもった施設を発見し、2017年度の調査(第593次)で検出した大型井戸の周辺が大規模な厨であったことがわかっています。ギャラリートークでは、床面展示や出土遺物をもとに、調査成果を分かりやすく解説してもらいました!

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 東院地区は6時期の遺構に分かれており、今回取り上げた「楊梅宮(ようばいきゅう)」は、6期目の最も新しい遺構群にあたります。楊梅宮は光仁天皇の宮殿で、宝亀4年(773)に完成しました。第503次調査で楊梅宮の回廊西北隅が発見されたことにより、だんだんその様相が明らかになってきたのですが、今回は楊梅宮の正殿や門、朝堂の位置が分かってきたということを解説してもらいました。

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 最新の研究成果に皆さんも興味津々の様子でした!
 ギャラリートークは、2月21日(金)、3月6日(金)、3月19日(木)にもおこないます。それぞれ、違う調査区をテーマに研究員が解説します。この機会に是非、奈文研の最新の調査成果に触れてみるのはいかがでしょうか。

【今後の予定】
2月21日(金) 西大寺旧境内
3月6日(金)  平城宮東区朝堂院
3月19日(木) 左京二条二坊十五坪
※各日14時半より開催

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