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翡翠

 梅雨の厚い雲に覆われた空の下、目の覚めるほどの美しい鳥が東院庭園に舞い降りました。

 深緑の半透明な美しい宝石「翡翠(ヒスイ)」。その宝石の名前を持つ鳥、カワセミです。

 その翡翠色の体色は「飛ぶ宝石」や「清流の宝石」と称されている程の美しさです。

 カワセミは、川や池、湖など淡水域の水辺で生息していることが多く、水面を見下ろす場所から獲物となる水中の小魚などを狙って捕獲します。

 時には水面に飛び込み、水浴びをすることもあります。

 水辺に生息するカワセは公園の池にも現れ、かつては水辺であれば街中でも見ることができました。しかし、生活排水などの問題から一気に環境が悪化したためその姿は激減し、現在では絶滅危惧種に指定されています。

 それでは、東院庭園の池の水について少し触れてみましょう。

 水は淀みをなくすために池底の9ヶ所に給水管を増設しており、池の水量は約350立方メートル、給水には井戸水が使用されています。さらに「宇奈多理(うなたり)の杜」の北西方に設けた管理施設で最高1日3回の割合で循環浄化し、正常な水質を保つ工夫をしています。(研究所ホームページ参照

 このような環境整備により、カワセミの姿を目にすることができるのです。

 今日もまたいつもの指定席の岩の上で「チーッ」と甲高い鳴き声を響かせて、皆さんの来訪を待ちわびているかもしれません。

 貴重なカワセミに出会える東院庭園にぜひお越しください。

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カワセミ(遠景)

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カワセミ(近景)

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水中から浮上するカワセミ

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水中から浮上するカワセミ

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水中から浮上するカワセミ

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水中から浮上するカワセミ

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浮上後に羽を休めるカワセミ

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水面を水平飛行するカワセミ

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水浴びをするカワセミ

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空中でホバリングするカワセミ

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撮影場所
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