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(188)発掘現場の写真撮影

遺跡の全景 収める技術

 奈良文化財研究所は、平城京や飛鳥・藤原京などで、年間を通して発掘調査を行っています。現場では要所要所で写真を撮影し、記録を残しながら調査を進めています。

 なかでも、発掘面積が広い遺跡の全景を1枚に収める写真の撮影は、高度な技術が必要になります。広角レンズを用いるのはもちろんのこと、高い位置から撮影しなくてはなりません。これまでは、高く組んだやぐらに上ったり、高所作業車に乗ったりと、私のような高所恐怖症のカメラマンには、とても怖くて緊張する作業が強いられました。

 最近は、長いポールを使ってカメラを高い位置に持ち上げ、スマートフォンやタブレットを使って遠隔操作し、地上にいながら撮影できるようになりました。こう言うと一見簡単そうですが、高性能のカメラはそれなりに重いので、ポールを立てる作業から、カメラの設置、ポールが倒れないように引っ張る作業まで、一苦労です。

 このように、奈文研のカメラマンは、研究員とタッグを組んで、日々、現場の状況に合った最新の撮影方法を考え、安全面を十分に考慮しながら、質の高い記録写真の撮影に挑戦しています。

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ポールを使って高い位置から遺跡を撮影する作業(奈良市の平城宮跡で)=奈良文化財研究所提供

(奈良文化財研究所写真室アソシエイトフェロー 飯田ゆりあ)

(読売新聞2018年3月6日掲載)

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