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野鳥を育む平城宮跡

平城宮跡を彩ったソメイヨシノも今は葉桜となり、眩しい新緑で覆われています。

春を告げる野鳥のさえずりが高らかに響き渡り、繁殖の準備を始める5月、夏鳥たちが姿を現し始めています。

「ピーチュル、ピーチュル」

甲高いさえずりに空を見上げると、停空飛翔している「ヒバリ」を見つけることができます。ヒバリの漢字表記は「雲雀」。文字通り、雲のように空を漂う雀の仲間です。

春から夏はヒバリの繁殖期にあたります。地上に作られた巣を守るために雄が縄張りを構え、長時間さえずり続けながら「揚げ雲雀」と呼ばれる縄張り宣言をします。

時には草花の陰からひょっこり現れて、餌となる昆虫や植物の種子などをついばみながら草原を徘徊する姿を見ることもできます。

平城宮跡内で広い面積を占めているヨシやオギの群落地。青々としたヨシに覆われた湿地帯周辺から連日陽気なさえずりが響いてきます。

「ギョギョシ、ギョギョシ」にぎやかな声の主は「オオヨシキリ」です。

オオヨシキリ(大葦切)という名前は、ヨシを切り裂き中にいる餌を捕食することに由来しています。大きく開かれた口内は赤く、その声の特徴から「行行子(ぎょうぎょうし)」とも呼ばれます。

ギョギョシのさえずりが始まると、ヒバリ同様に縄張りを主張し子育てが始まった合図なのです。

四季を通じて様々な野鳥たちに出会うことができる平城宮跡。子育てに奮闘する野鳥たちの姿をぜひご覧ください。

 

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ヒバリ

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餌を捕食するヒバリ

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オオヨシキリ

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オオヨシキリ

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オオヨシキリ

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オオヨシキリ

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オオヨシキリ

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オオヨシキリ

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ムラサキサギゴケ(紫)とオヘビイチゴ(黄)

 

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撮影場所
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