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(157)キトラ古墳 四神の館の展示

キトラ古墳 四神の館の展示

石室模型や土層標本

 この秋、キトラ古墳(明日香村)を中心とした国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区が開園し、その中心施設として「キトラ古墳壁画体験館 四神(しじん)の館」もオープンしました。今回はその展示についてご紹介します。

 四神の館には、公園を整備した国土交通省の展示施設と、文化庁の壁画保存管理施設があります。奈文研は1階にある文化庁施設の運営や壁画の公開の仕事を行っており、地階の展示室については製作段階で協力しました。

 1階では壁画が期間限定・申し込み制で公開され、それ以外の期間は出土品などを展示しています(毎週水曜と作業日は閉室)。地階は年末年始を除いて自由に見学でき、キトラ古墳について詳しく知ることができます。精密な石室模型や大型マルチスクリーンの映像、キトラ古墳の土層剥ぎ取り標本をはじめとして、奈文研の調査研究成果もふんだんに盛り込まれた展示は必見です。なお、1階と地階の施設は全て無料です。

 このほか公園内ではキトラ古墳の墳丘が見学でき、毎週土、日曜と祝日に「勾玉(まがたま)づくり」や「富本銭(ふほんせん)づくり」などの体験プログラムが開催されています。壁画が公開されていないときでも十分に楽しんでいただけますので、ぜひ一度お越しください。

 

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石室模型や土層の剥ぎ取り標本が見学できる四神の館地階の展示室

(奈良文化財研究所飛鳥資料館 石橋茂登)

(読売新聞2016年11月13日掲載)

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