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銀色に輝くオギ原

 樹木の葉が色付き始める季節、無数のオギ(荻)が一斉に穂を出して輝き始めました。

 平城宮跡にはオギの群落地が複数存在します。朱雀門の北側、東院庭園の西側では大規模な群落が形成されています。

 オギは和歌集に詠まれた古い歴史をもつ植物です。万葉集に登場する秋の情景が色濃く詠まれた1首をご紹介しましょう。

◆オギ

 葦辺(あしへ)なる 荻(をぎ)の葉さやぎ 秋風の

 吹き来るなへに 雁(かり)鳴き渡る               作者未詳 (巻第十・2134番) 

 

 葦辺の荻の葉が音を立て、秋風が

 吹いて来ているのにつれて雁が鳴き渡っていくことよ        出典:『万葉集』(二)、講談社、中西進

 

 平城宮跡にお越しになり、銀色の穂のそよぎに深まる秋の風を感じられてみてはいかがでしょうか。

 

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オギと第一次大極殿

 

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オギと朱雀門

 

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近鉄沿線のオギ群落

 

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東院庭園近くのオギ群落

 

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オギ

 

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オギの穂

 

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オギの穂

 

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撮影場所
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