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西トップ遺跡通信12(2016年4月1日) [Western Prasat Top 12]

 北祠堂調査修復のはじまり

 南祠堂の調査修復に続き、北祠堂の調査修復が始まりました。北祠堂は、基壇の石材が崩落し、上部の建物部分を支えていた基礎部分が弱くなってしまったため、崩壊したものと考えられます。北祠堂は東面と北面はほとんどが崩れてしまい、オリジナルの石材が相当量欠けています(写真1)。作業では、南祠堂の際と同様に、解体前にしっかりと記録を取り、1石ずつ番号を割り当てたうえで、解体を進めていきます(写真2)。

 そのため、北祠堂の調査と並行して、写真3にあるように北祠堂北側に広がる散乱石材エリアの整理にも着手しました。このエリアには一目見ただけでも千を超えるような膨大な量の石材が転がっていることが分かるのですが、ここの整理をすることによって、北祠堂にもともとあった石材を探すことができるかもしれません。大変な作業ではありますが、1点1点記録を取って、できる限りパズルのピースを埋めていくように、完成させていけるよう日々作業を続けていきます。

 

 

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写真1 北祠堂全景(東から)

 

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写真2 作業の様子

 

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写真3 散乱石材

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