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(104)古代のカレンダー

巻物 板に書き写し

 みなさん、ゴールデンウィークはいかがでしたか? 今年は、秋にも大型連休がありますね。

 過去のできごとを振り返るにも、今後の予定を立てるにも、あるいは、今日の日付の確認にも。カレンダーは、私たちの生活に欠かせません。

 奈良の都においても、カレンダーは必需品でした。

 当時は、月の満ち欠けに基づく太陰暦が使われており、毎年11月に翌年のカレンダーが配布されていました。

 古代のカレンダーは、今と違って漢字だらけ。漢数字を使う上に、その日の吉凶などが詳しく書かれていたからです。また、日めくりや月めくりではなく、巻物の形をしていました。

 でも巻物では、見たいと思った所をすぐに見ることができませんね。そこで、みんなが一目で見られるように、板などに書き写して使われたようです。

 明日香村の石神遺跡からは、表面に689年3月、裏面に4月の暦が書かれた円盤形の板が見つかっています。現存する日本最古のカレンダーです。元々は長方形をしていて、役所の壁や机の上などに掲示されていたと考えられます。

 みんなで一つのカレンダーを見ながら、あれこれ相談する。今と変わらぬ光景が広がっていたことでしょう。

 

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表(右)に689年3月、裏に4月の暦が書かれた円盤形の板

(奈良文化財研究所研究員 桑田訓也)

(読売新聞2015年5月24日掲載)