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梅雨空の下

 梅雨入りから一ヵ月以上経ちました。今週は特に蒸し暑さを感じる日々が続いているので、梅雨明けが待ち遠しいところですね。

 さて今回は、梅雨時を彩る花の一つ「アジサイ」をご紹介しましょう。 平城宮跡資料館駐車場近くの雑木林の中にひっそりと咲いています。ご存じの方もおられるかもしれませんが、私たちがアジサイの「花」だと思っている部分は「装飾花」でおしべとめしべは小さく退化しています。花びらのような部分は大きくなった「がく」なんですね。近くで見る機会があればぜひ観察してみてください。

 万葉集にもアジサイ(紫陽花)の歌が詠まれています。

 

 紫陽花(あぢさゐ)の 八重咲くごとく やつ代(よ)にを
    いませ我が背子 見つつ思(しの)はむ         橘諸兄 (第二十・4448番) 

 紫陽花が八重に咲くように、
    いよいよ長い年月を生きてくださいよ、あなた。
    紫陽花を見ながらあなたをお慕いしましょう。      出典:『万葉集』(四)、講談社、中西進

 

 古代人もいろんな思いを込めて眺めていたアジサイの花。千年以上の時を経てもその美しさは変わらないのでしょうね。

 

 

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アジサイ (2015年7月09日)

 

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アカツメグサ

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アカツメグサとミツバチ

 

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