奈良文化財研究所に関するさまざまな情報を発信します。

復興調査への支援(福島県南相馬市東町遺跡・上渋佐原田遺跡 その10)

7月7日~11日の支援状況

 上渋佐原田遺跡B区の調査は山場を迎えつつあります。出土した遺物から、遺跡は貞観11年(869)に発生した大地震の後に移転してきた集落である可能性が浮上してきました。

 先週の調査では、竪穴建物の埋土の堆積状況を記録に残しつつ掘り下げを進め、床面・柱穴・竈(かまど)などを検出していきました。竪穴建物の中には、何度も床面を貼り替えて柱を立て直した特殊な事例も認められ、少しずつ丁寧に掘り下げているところです。

 これらの遺構の掘り下げ作業を各地から集まっている調査員が進め、続く記録作業を奈文研職員が担当し、検出が完了した遺構の平面図や土層図を作成しています。これらの図面は、発掘調査終了後に発掘調査報告書に掲載されて、大切な遺跡の情報としてこれからもずっと残されていきます。発掘では「掘る」こととともに、「記録」が非常に重要な作業となります。

 今週は台風8号が日本列島を縦断するということで、常にスマホを片手に天気予報とにらめっこしつつの現場作業でした。幸い台風の影響はほとんどありませんでしたが、水曜日は一日中雨が降っていたため、室内で図面の修正や整理作業をおこないました。きちんとした記録を残すためには、室内でおこなう地道な作業も肝心です。

 

 

調査の様子_検出_掘削_記録が並行しておこなわれています.jpg

調査の様子 検出・掘削・記録が並行しておこなわれています

平面図を作成する奈文研職員.jpg

平面図を作成する奈文研職員