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(23)日本の遺跡数はいくつ?

 日本全国に遺跡はいくつあるのでしょうか。2013年3月に文化庁が発表した最新のデータによると、その数、実に46万5021か所。5年前にくらべ約7700か所も増えました。単純計算で、1県あたり約1万か所の遺跡があることになります。日本の国土面積から計算すると、1平方キロ・メートルあたりの遺跡数は1・2か所となり、この遺跡密度は世界最高ランクに位置づけられるでしょう。

 現在、文化財保護法によって保護の対象となっているのは、旧石器時代から江戸時代の遺跡です。時代別にみると、最も多いのは縄文時代の遺跡で9万531か所。最も少ないのは旧石器時代の遺跡で7565か所です。また遺跡の種類をみると、古墳や横穴墓が15万8905遺跡と最も多く、貝塚も3946か所あります。古墳や横穴墓の数が多いのは、地上に残る墳丘や横穴を確認しやすいことが理由でしょう。

 これらの遺跡の正確な位置や範囲は、教育委員会が作製・公表する「遺跡分布地図」に示されています。そこに記された遺跡範囲の中で土木工事が行われる場合、事前に発掘調査が行われることになっています。46万か所の遺跡情報が記された「遺跡分布地図」は、遺跡が人知れず壊されることを防ぐ防波堤になっているのです。この遺跡地図をもとに、ここ数年は毎年約7500前後の遺跡の発掘調査が全国で行われていますが、この調査件数も世界最高ランクに位置づけられるものです。

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遺跡分布図の例(線の中が遺跡)

(奈良文化財研究所主任研究員 渡辺丈彦)