2014年6月9日~13日の支援状況
今週も引き続き、縄文時代中期・古代の集落遺跡である東町遺跡と平安時代の集落遺跡である上渋佐原田遺跡の発掘調査に参加しました。ともに南相馬市教育委員会が担当する現場ですが、それに加え東町遺跡は、茨城県・高知県からの派遣メンバーに福島県教育庁、福島県文化振興事業団の調査員が加わり、さらに二本松市教育委員会をはじめ県内の市町村、そして奈文研のメンバーという多彩な顔ぶれで調査を実施しています。上渋佐原田遺跡も、沖縄県・京都府の派遣メンバーに奈文研が加わる体制となっており、地元と各地から派遣されたメンバーがタッグを組んで調査が進んでいます。
東町遺跡では、縄文時代中期の竪穴建物と竪穴内にある複式炉の調査が佳境を迎えています。奈文研職員は、複式炉の実測や炉のつくり方を検討するための断面調査などをおこないました。梅雨空の中、久しぶりの晴天となった13日には、来週の現場説明会へ向けて調査区全体の写真撮影も実施しました。遺跡は市街地内にあり、撮影のための足場を組むスペースがないことから、大型の三脚にポールを取り付けて高所からデジカメで撮影できる機材を持ち込んで撮影しました。安価かつ効率的に遺跡の特徴が引き出せる写真撮影の方法に現地スタッフも興味津々で、奈文研のカメラマンと盛んに意見交換していた姿が印象的でした。
上渋佐原田遺跡では、現在、掘立柱建物と竪穴建物の調査が進んでいます。今週は新規に拡張した部分の遺構検出や土層断面の検証、図面の作成といった作業に携わりました。来週以降、隣接する調査区にも調査の手が入ることになり、こちらもますます忙しい日々が続きそうです。
上渋佐原田遺跡では拡張した部分を遺構検出中
東町遺跡でポールを使った写真撮影をおこなう奈文研職員と現場調査員
東町遺跡の発掘調査チーム