飛鳥時代には、古墳時代以来の土師器や須恵器に加え、瓦や塼仏、施釉陶器など、新たな焼き物が作られる時代でもあります。このうち瓦や塼仏は笵を用いて成形したことが知られています。また、暗文を施した土師器の椀は、光沢をもつ金属製の椀をまねて作ったものと考えられています。さらに、施釉陶器に用いる釉薬は、ガラスと同じ原料を溶かして作られます。このように焼き物を通じて、さまざまな分野との接点がみられ、いにしえの匠たちがさかんに交流をしていた様子を垣間見ることができます。

古宮遺跡出土 暗文土師器

飛鳥池工房遺跡出土 施釉陶器