今回の展示会場の中心には、川原寺の工房から出土したさまざまな遺物や遺構模型が並んでいます。もっとも目を引く鉄釜の鋳造遺構の模型は、発掘現場の遺構を型取り、実物の鋳型をはめこんで製作しました。高温で溶かした鉄を大きな鋳型に流しこむ鋳造作業の迫力を生々しく伝えるものです。
さらに、窯から出土した巨大な瓦のほか、銅やガラス、漆といった素材やそれらを加工する道具も出土しました。これらはまさに、ひとつの工房のなかで、多くの匠たちがさまざまなものづくりを行っていたことを示しています。展示会場の中心で、川原寺の工房の風景をご想像ください。

