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祝『公益財団法人衣笠繊維研究所繊維学術賞』受賞

祝『公益財団法人衣笠繊維研究所繊維学術賞』受賞
      埋蔵文化財センター 赤田昌倫アソシエイトフェロー
 
テーマ:『出土古代繊維に関する劣化研究』
 
研究内容
出土した繊維の中でも特に絹を対象とし、埋蔵環境下にあった絹がどのような劣化状態にあるのかについて調査研究をおこなった。その結果、出土繊維はその形状を維持していても、ほぼ完全に無機化している場合があること、有機質が残っている場合でも、アミド基に非常に特異な変化が発生していることを明らかにした。
 
受賞コメント
『出土古代繊維に関する劣化研究』というテーマで、繊維学術賞を受賞したことを大変嬉しく思っています。出土した古代の繊維は、織の技術をもった人々の移動と関連が深いため、考古学や歴史学において非常に重要な文化財です。一方で、長い年月の経過によって劣化が進行しており、現代の健全な繊維に比べると非常に脆く、時には触れるだけで粉末化してしまうことがあります。そのため、繊維の種類を調査し、同時に貴重な繊維文化財を適切に保存管理するためには、出土した繊維がどのような劣化状態にあるのかを検証する必要があります。本研究は古代繊維の劣化を知るための基礎研究であると認識しています。
 この受賞は恩師である佐藤昌憲先生をはじめ、様々な諸先生方のご指導あってのことです。心より感謝申し上げます。今後は研究を深化、発展させ、考古学、歴史学、保存科学の各分野に貢献できるよう精進してまいります。
 
公益財団法人衣笠繊維研究所
平成25年12月7日開催の第2回学術講演会『講演要旨』
 
公益財団法人衣笠繊維研究所繊維学術賞祝『公益財団法人衣笠繊維研究所繊維学術賞』受賞