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発掘現場と女性

2005年2月
 
 今年は、台風が例年になく多く、現地レポーターが、強風と高波を背景に波止場で叫んでいる場面を何度となく見ました。  
 ある日、家内が、「かわいそうに、女の子ががんばってるわ」、というので、見ますと、なるほど、小柄な女性アナウンサーが、強風雨に両足を踏ん張ってレポートしています。
 私、「今時どこでもそやでぇー」。  

 自分の研究所を振り返りますと、今、4人の女性調査員が現場で活躍しています。奈文研は、平城宮跡の発掘を始めてからは、発掘調査の比重が高くなり、新採ももっぱら発掘調査員として行ってきました。  
 そんなところから、かっては女性が現場で作業服を着て指揮する姿はあまり想像できなかったし、できないものだと考えていた時期もあります。女性の採用を制度的に可能にしてからも、長い間、女性調査員は誕生しませんでした。  

 それが最近、確実に女性調査員が増えてきています。もちろん、試験の成績が優秀であるから採用されたのですが、それよりも作業服を着て現場で泥だらけになる仕事をいとわない女性が増えたと言うことです。  
 建築現場を始め、いわゆる3Kとかいって嫌われた仕事に女性が進出していることと同じ流れがわが研究所でも見られるのです。話題の出来事で言えば、キトラ古墳の壁画取り外しを現場で直接作業しているのは、東京の研究所に所属する調査員を中心にした3人の女性です。  

 正確にはわかりませんが、全国的に見れば、発掘調査員における女性の比率は、奈文研よりも全国自治体の方が高いかもしれません。  
 奈文研の研究者は60名近いので、4名ぐらいはほんのわずかということになります。このごろは、どこの機関の人と話をしても、「女性の方が元気でねえ・・」といった話になります。  
 平城や飛鳥藤原の現地説明会に是非お運びください。そうすれば活躍する女性調査員の姿をご覧いただけるでしょう。
(埋蔵文化財センター長 田辺 征夫)
※肩書きは執筆当時のものです。

 

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