史料研究室History Section木簡とは

木簡とは?

木簡出土の様子

 発掘によって見つかる墨書のある木片を、広く木簡と呼んでいます。発掘によってみつかる出土文字資料には、木簡のほかに、墨書土器、漆紙文書などがありますが、情報量の多さという点で、木簡は最も代表的な出土文字資料といえます。2003年以降、平城宮跡をはじめ、広島県草戸千軒町遺跡、山田寺跡、滋賀県西河原遺跡群などの木簡が、順次国の重要文化財に指定されています。  
 木簡の発見記録は江戸時代にもあり(秋田県小ヶ田埋没家屋。『菅江真澄全集』九)、現物の伝わるものとしては、昭和初期の秋田県払田柵跡や三重県柚井遺跡で見つかった木簡の例がありますが、本格的な研究の始まりは、1961年(昭和36)1月の平城宮跡最初の木簡の発見がきっかけになりました(復元された第一次大極殿の北側に奈良時代後半に設けられた役所〈推定大膳職〉のゴミ穴SK219)。  
 以後半世紀、木簡出土事例は全国各都道府県に広がり、年代も630年代頃から近代にまで及んでいます。木簡はまさに時間と空間を越えた普遍的資料といえます。全国の木簡出土遺跡は既に1000を超え、総点数は約37万点以上に達しています。そのうち平城宮・京跡で約17万点、飛鳥藤原地域で35000点に及んでいます。


木簡の保管状況

 有機物は、常に乾燥状態にあるか、逆に湿潤で日光(紫外線)と空気(酸素)から遮られた状態にないと、腐って残りません。日本では乾燥は難しいため、湿潤な環境にあることが木簡が残るための絶対条件です。川や溝、井戸、ゴミ穴、低湿地などが、木簡が出土しやすい場所です。  
 そうはいっても木簡はたいへん脆い遺物で、水分によって辛うじて形を保っているに過ぎません、木簡にとっては水が命の源なのです。ですから、保存は水につけた状態で行います。水道水で差し支えありませんが、奈文研では、防腐剤として0.4%程度のホウ酸ホウ砂水溶液(ホウ砂はph調整用。ホウ酸:ホウ砂=1:7)を使用しています(かつてはホルマリン水溶液を使っていましたが、30年ほど前に取り扱いが楽なホウ酸ホウ砂に代えました)。


木簡の型式分類

 木簡は文字資料ですが、文字だけが木簡の情報ではありません。木簡は文字を書くための木製品で、なによりも発掘で見つかる考古遺物です。そこで、ものとしての形によって分類することが行われています。奈文研では、平城宮跡の木簡の研究によって考え出された18型式に分類しています。  
 また、内容的には、文書木簡(手紙の木簡、帳簿・伝票の木簡)、付札木簡(租税を納める際の荷札木簡、保管の際のラベルの木簡)、習書・落書木簡その他、3つに分類することが広く行われています。





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