企画調整部は、平成18年4月の組織再編により新たに発足しました。企画調整部は現在、企画調整室、文化財情報研究室、国際遺跡研究室、展示公開活用研究室、写真室からなり、奈良文化財研究所が実施するさまざまな調査・研究に係る事業について、総合的に企画を調整し、その成果の公開・活用等を進めています。
奈良文化財研究所は昭和27年の設立当初から、南都諸大寺及び近畿周辺の古社寺における文化財の調査‧研究を進めてきました。平成13年度に当研究所が独立行政法人に移行するにあたり、設立当初からの研究室である建造物研究室‧歴史研究室に、さらに遺跡研究室を新設して、3室からなる文化遺産研究部が発足しました。その後、文化財の新分野として文化的景観が認められたことに伴い、平成18年度には景観研究室を新設し、文化遺産部は歴史研究室‧建造物研究室‧景観研究室‧遺跡整備研究室の4室体制となりました。さらに令和6年度には、それまで都城発掘調査部に所属していた史料研究室‧遺構研究室の業務も加わり、歴史史料研究室‧建造物遺構研究室‧景観研究室‧遺跡研究室の4室となっています。
研究所は1955年に第1次調査として平城宮第二次大極殿院回廊の発掘を実施し、1956~1959年には飛鳥で飛鳥寺・川原寺・飛鳥板蓋宮伝承地の発掘調査を行いました。さらに1963年には平城宮跡発掘調査部を、1973年には飛鳥藤原宮跡発掘調査部を設置して、組織的な発掘に取り組んできました。発掘調査に際しては、考古学だけでなく、文献史学、建築史学、庭園史学、あるいは保存修復科学、年輪年代学、環境学など、当研究所が擁する様々な分野の研究者が共同して遺跡の解明にあたっています。
埋蔵文化財センターは、文化庁埋蔵文化財対策調査会が、高度経済成長に伴う開発と埋蔵文化財調査の爆発的増大という課題への対応として、国立埋蔵文化財センター設置を1973年に提案したことをうけて、1974年に奈文研に付設されました。その後、全国の埋蔵文化財調査体制の充実といった状況変化を受けて、組織の改編をおこなってきました。そして現在は、主として埋蔵文化財をはじめとする文化財の保護を、自然科学分野から支える技術開発を担っています。
奈良県明日香村にある飛鳥資料館は、飛鳥地域の歴史や文化を紹介する展示施設として、昭和50年(1975)に開館しました。展示室は3室からなり、1階の第1展示室では飛鳥地域の歴史をテーマ別に展示し、第2展示室では日本の初期仏教寺院である山田寺について、山田寺東回廊の建物を中心に出土品(重要文化財)などを紹介しています。また、地下の特別展示室では、年に数回の特別展や企画展を開催し、飛鳥地域に根ざしたテーマの展示のほか、奈良文化財研究所の活動や研究成果を紹介する展示をおこなっています。
研究支援推進部は、管理的業務だけでなく研究部の特性を活かした積極的運営を行う事務組織です。総務課、財務戦略課、環境整備課からなり、奈良文化財研究所が行う調査・研究を積極的に推進するための業務を行っています。