かりうちとは
奈良時代に遊ばれていた双六に似たボードゲームです。
土器や瓦に描かれた盤面と、「かり」と呼ばれるサイコロの代わりに投げる棒を用いて遊びます。
2015年、奈良文化財研究所の考古学的研究により発見されました。
奈良文化財研究所の研究員が、平城宮・京をはじめ日本各地の奈良時代の遺跡で出土した土器や瓦に、共通する円形の記号が描かれたものがあることに気づき、これが「かりうち」の盤面であることを2015年に解明しました。
「かりうち」は、『万葉集』の歌に4本の棒とその組み合わせを意味する言葉遊びとして登場する古代の遊びで、都などで大流行したこと、現代の韓国で親しまれている「ユンノリ」という遊びに似るということ、しかし日本では失われた遊びであることが、指摘されていましたが、考古学的に実物が発見されたのは、その時が初めてでした。
奈良時代の道具やルールを復元、現代のゲームとしてよみがえらせました。
奈良文化財研究所では、出土遺物、『万葉集』、韓国の遊び「ユンノリ」を手がかりに、失われた奈良時代のボードゲームの道具やルールを復元。
現代のゲームとしてよみがえらせました。
よみがえった古代のボードゲーム「かりうち」の特徴
テストプレイを重ね、ルールのわかりにくい部分が無いかを検証して公式ルールを作成。直感的にルールがわかるよう盤面デザインに工夫を凝らしています。
幅広い層にとっての扱いやすさを考慮し、盤面・コマ・かりの試作をおこないました。
特にかり(棒)は、出土遺物をふまえつつ、現代でも遊びやすい形状・質感を追求しました。
かりうちは、勝負が決まる瞬間までの大逆転を狙えるゲームです。
このゲーム性を最大限活かせるような公式ルールを定めました。
かりうちの遊び方
【かりうち公式ルール】
ボードゲームの専門家をはじめ、多数の協力者のみなさまの助言を得ながら、かりうちの遊び方を公式ルールとしてまとめました。
かりうち公式ルールは、配布等自由におこなって遊んでいただけます。ぜひご活用ください!
※ルール内容を転載したりルールの翻案を作成する場合は、クレジットの記載をお願いします。
(詳しくは、「かりうち公式ルール」添付の「ご使用について」をご覧ください。)
かりうちの紹介動画
かりうちの遊び方
かりうちを復元した奈文研研究員が、かりうちの遊び方を解説します!
かりうちを始める前に、ぜひご覧ください。かりうちの舞台 平城宮
かりうちは、どのように復元されたのか?奈文研の調査研究の裏側を紹介します!
かりうちについて、もっと知りたい!と思った方は、必見です。
なぶんけん×ぶんかつ
アウトリーチプログラム
(独)国立文化財機構 文化財活用センターが実施している「ぶんかつアウトリーチプログラム」は、全国各地の博物館・美術館、学校等などで文化財に親しんでいただくためのプログラム。
2023年度から、その奈文研版として「かりうち」キットを提供するプログラムを開始しました。
2024年度からは、新たに奈文研職員の講師派遣をおこないます!
「よみがえった古代のゲーム、かりうちで遊ぼう!」
古代遺跡で出土した土器から復元したボードゲーム「かりうち」を体験するプログラム
実施方法 | 【A】かりうちキット提供 学校の先生や実施館の学芸員のみなさま自身でプログラムをおこなっていただきます。 【B】 かりうちキット提供と講師派遣 奈良文化財研究所の職員がプログラムを実施します。 |
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対象 | 【A】小学校・中学校・高等学校等の教育機関 社会教育団体、青少年教育施設、博物館、資料館、図書館、埋文センター等 【B】小学校・中学校・高等学校等の教育機関 |
人数 | 2名以上
※1班につき、2~6名で、2チームに分かれて対戦。 (例:1名vs1名、2名vs2名、3名vs3名) |
実施時間 | 45分~90分程度 |
使用可能教科 | 生活(地域)、社会(文化財・世界文化遺産)、
地理歴史(日本史)、特別活動(国際交流) |
実施場所条件 | A3の盤面を挟んで、対面で座って対戦することができる机などのスペースがあること。 |
奈良時代に大流行したボードゲーム「かりうち」を、出土遺物の研究や、文献史料の記述、現代韓国の遊び「ユンノリ」に基づき、
奈良文化財研究所がルールと道具を復元。
こどもからシニアまで楽しめる現代のゲームとして、よみがえらせました。
プログラムでは、奈良文化財研究所が開発した「かりうちキット」と、かりうちの遊び方や平城宮での調査研究について解説する動画を用いて、「かりうち」を楽しむことを通じ、奈良時代の文化や平城宮跡をはじめとする古代の遺跡について楽しく学びます。
上記教科のほか、修学旅行の事前学習、地域学習、東アジアの文化交流を学ぶ機会などでご活用いただけます。
お申込みの流れ
申込受付期間(2024年度実施追加分)
2024年6月10日(月)10:00~6月17日(月)15:00
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申込メールを送る
下記の事項をメール本文に記載して、申込受付期間に宛先までメールしてください。
【記載事項】
ご利用者情報①機関名(学校名・館名)
②ご住所
③郵便番号
④ご担当者名(ふりがな)
⑤電話番号
⑥e-mailアドレス授業・イベント等の実施予定①第1希望(年月日)
②第2希望(年月日)※2024年7月15日以降で設定ください。
実施方法、対象等①実施方法(【A】のみ/【B】のみ/【A】【B】併願、から選択)
②対象年齢層(学年)
③人数
④希望キット数(第一希望)
⑤希望キット数(第二希望)
⑥講師派遣を希望する場合は、その理由
※2~6名で1キットが推奨です。キット数には限りがあるため、最小の場合の希望数を第2希望として記載ください。
※キットには、普及版とキッズ版があります。キットの種類はご選択頂けません。
利用する教科など(該当するものを記載ください)生活(地域)/社会(文化財・世界文化遺産)/地理歴史(日本史)/特別活動(国際交流)/総合的な学習の時間/総合的な探求の時間/ワークショップ/研修等 その他(具体的に記載ください)
目的、ご要望など(これまでの学習内容、ねらいなど具体的にご記入ください)以上
【申込先】
奈良文化財研究所 研究推進支援部 総務課 広報企画係
koho_nabunken@nich.go.jp -
申込の受付のご連絡
申込メールの到着について、奈良文化財研究所からメールにて3営業日以内にご返信します。
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実施可否のご案内(予約完了)
実施が可能な場合は、「かりうちアウトリーチプログラム予約証」を、7月1日(月)までにメールにてお送りします。
※申し込み多数の場合は、抽選となりますので、予めご了承ください。 -
使用キットが届く
かりうちキットを指定個数分お送りします。送料は原則として弊所が負担します。
到着後は、必ず内容物一式の状態をご確認いただき、同梱の受領書をご返送ください。 -
事前の打ち合わせ(【B】講師派遣の場合)
採択後すみやかに担当講師と、学習内容、当日の流れについて、電話・メールなどで打ち合わせをおこないます。
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プログラムの実施
学校の先生や実施館の学芸員など、利用者ご自身でプログラムをおこないます。
本ページにリンクのある解説動画等もご活用ください。 -
アンケートの返送
使用キット同梱の利用者アンケートをプログラムの参加者の方に記入いただき、取りまとめてご返送いただけますよう、お願いいたします。
なお、お送りしたキットの返却の必要がありません。実施後も継続してご活用いただけます。
かりうちプロジェクトの活動
奈良文化財研究所では、かりうちプロジェクトチームを立ち上げ、平城宮跡をはじめとする古代の遺跡の魅力をより広く知っていただくために様々な実践的研究をおこなっています。
なぜゲームなのか
プロジェクトの中心は、小学生の子どもを持つ保護者でもあるメンバー。
古代国家の中心地という理解するには実感の湧きにくい平城宮・京を、勉強としてではなく、楽しい体験の中で学んでもらいたい...。
大人も子どもも熱中できる「かりうち」は、そのための最適なツールになるのでは、という思いがありました。
平城宮跡でかりうち全国大会を開きたい...!
かりうちの盤面は、平城宮・京跡のみならず、全国の古代遺跡で出土しています。
みなさまの身近にある遺跡でも、かりうちで遊んでほしい。そして、いつか、平城宮跡でかりうち全国大会を開きたい。それが私たちの夢です。
全国のかりうち盤面出土例
・特別史跡 平城宮跡(奈良市)
・平城京跡(奈良市)
・史跡 秋田城跡(秋田市)
・史跡 柳之御所・平泉遺跡群(岩手県平泉町、奥州市)
・史跡 八幡林官衙遺跡(新潟県長岡市)
・史跡 斎宮跡(三重県明和町)
活動実績
2020年8月「かりうち」プロジェクト始動! 平城宮跡の活用に関する実践的研究の一環で、かりうちを現代のゲームとしてよみがえらせるプロジェクトを開始。
2020年11月11日(かりうちの日) 所内テストプレイの実施 公式ルール(案)を作成し、用具の仕様を固めるため、所内でテストプレイを実施。
2021年1月
かりうちキット試作品ver.1の製作かりうちキットの製品化に向けて、印刷業者さんと仕様を検討。
試作品ver.1を製作2021年 10月
かりうちキット試作品ver.2の製作2021年11月3日
第1回かりうち対戦試合(朱雀門ひろば)の実施決勝戦では、再現須恵器を使用
2021年12月
キット量産化に向け文化財活用センターと検討2022年9月
かりうち動画の撮影2022年11月
かりうちキット納品2022年11月26日
第2回かりうち対戦試合の開催
かりうちキットの販売
かりうちキットは、以下の場所で販売をおこなっています。
オンライン販売は、平城宮跡資料館サイトから。
かりうち協会
かりうちプロジェクトでは、奈文研内に任意団体「かりうち協会」を設置して、その普及活動にあたっています。
かりうちに関心のある方、かりうちを応援したい方は、下記にお問い合わせください。
■ かりうち協会 事務局
(奈良文化財研究所 遺跡研究室)
isekiseibi_nabunken@nich.go.jp
かりうちをもっと知るために
かりうちの調査研究についてもっと詳しく知りたい方は、下記リンクの資料をご参考ください