平城宮跡資料館において、以下のとおり特別展を開催することとなりました。
西隆寺は称徳天皇の勅願で造られた西の大寺、西大寺の対になる尼寺です。西隆寺と西大寺は、東大寺に匹敵する広大な寺域を有する大寺院でしたが、特に西隆寺は実態がよくわからず、「まぼろしの尼寺」といわれていました。
しかし、昭和40年代の発掘調査以降、次第にその姿を現します。特に東門近くの土坑からは大量の木簡が出土しました。木簡に書かれた内容は奈良時代末期の西隆寺の造営に関係するもので、人夫への食料支給文書やその帳簿、諸国からの貢進荷札、官司や個人からの知識銭付札など多岐に渡ります。
これらは寺院に係るまとまった木簡類として、木簡研究のみならず奈良時代の寺院史、社会経済史においてたいへん貴重であると認められ、2025年3月21日に「西隆寺跡出土木簡」75点が国の文化審議会から重要文化財の指定について答申を受けました。本展ではこれを記念して、これらの木簡の実物16点などを展示いたします。
みなさまに貴重な文化財をご覧いただくことで、文化財保護の意義と奈良の歴史の奥深さをご理解いただけますと幸いです。
西隆寺跡出土木簡
会 期: 令和7(2025)年12月11日(木)~12月21日(日)
会 場: 平城宮跡資料館 企画展示室
開 館 時 間 : 9:00~16:30(入館は16:00まで)
休 館 日: 月曜日(祝日の場合、翌平日)
入 館 料: 無料
主 催: 独立行政法人 国立文化財機構 奈良文化財研究所
出 展: 重要文化財 西隆寺跡出土木簡など
〔 関連イベント 〕
12月13日(土)特別講演会ほか、ギャラリートークも開催予定です。
(申し込み方法等は、後日HPにてご案内いたします。)