古墳時代前期(3世紀中ごろ~4世紀)に主として副葬品として盛行した、腕輪形石製品(鍬形石・車輪石・石釧)などの各種石製品の研究を専門としています。石製品が生産され、流通し、使用される中でどのような人間同士の関係性を媒介したのかについて興味をもっており、所属する都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)考古第一研究室では飛鳥・藤原地区で出土した石製品に加え、木製品や金属製品の調査・研究に取り組んでいます。
また、7世紀末から8世紀初めに築かれたキトラ古墳と高松塚古墳の2つの壁画古墳を、飛鳥時代の周辺古墳や世界の様々な壁画古墳の中でどのように位置づけ・評価できるのかを研究し、両古墳の保存活用につなげる業務にも参画しています。幅広い材質の遺物や長期にわたる古墳の展開を研究する機会を活かし、世界中の考古資料の生産・流通・使用時の作用によって社会がどのように生成・維持・変化したのかについて比較研究することを目指しています。