職員紹介

国武 貞克クニタケ サダカツ/KUNITAKE Sadakatsu

所属/職名

主任研究員

関心

  ユーラシア東部に広がった現生人類の初期の文化を解明するため、現生人類がアジアに侵入した直後の5-4万年前の遺跡を中央アジアで新しく探し出して発掘調査しています。2019年にはタジキスタンで実施したフッジ遺跡の本格的な発掘調査により、中央アジア西部で初めて確実な初期後期旧石器時代(IUP期)の石器群を発見しました。2020年と2021年には長野県香坂山遺跡の学術発掘調査を実施しました。その結果、約3.7万年前という石刃遺跡として列島最古の年代とともに、大型石刃と小石刃及び斜軸尖頭器というユーラシア最古期と瓜二つの石器群を発見し、大型石刃製作跡も検出しました。列島最古の石刃石器群は、ユーラシアから古日本列島への新人到来を示すのかどうか。2023年には長野県蓼科山と広島県冠高原で学術発掘調査を行い、類似の大型石刃石器群を追求し検証します。2017年から五里霧中で始めた10年計画の7年目ですが、終盤に向けて当初思っていたよりも霧が晴れてきたような気がしています。ともあれ、奈良では水中遺跡の調査研究を担当しています。

研究分野

考古学

主要業績
2023年 「日本列島後期旧石器文化の起源と成立に関する試論」『奈良文化財研究所文化財論叢』Ⅴ
2023年 「香坂山遺跡の石器群と中央アジアの初期後期旧石器時代遺跡」『考古学ジャーナル』777
2022年 「石刃石器群の起源からみた日本列島における後期旧石器文化の成立」『考古学研究』69-2
2022年 『香坂山遺跡2021年発掘調査成果報告書:中央アジア旧石器研究報告第8冊』奈良文化財研究所
2022年 「佐久市香坂山遺跡の発掘調査の成果と課題」『検証 サピエンス日本列島への道』明治大学黒耀石研究センター
自己紹介写真
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Researchmap
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