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「飛鳥の考古学2022」こぼれ話 ― 変形忍冬唐草文軒平瓦6647Cの話 その6

研究成果の影響2 -瓦の年代の問題

もともとCaは藤原宮でも造営初期段階の瓦と言われており、それに対して、CbCcは本薬師寺の金堂で使われた瓦の一つでした。本薬師寺の完成年は不明ですが、持統天皇2年(688)に概ね完成していたと考えられています。これまではこれらの瓦が同笵と考えていたため、本薬師寺の完成と藤原宮の造営の初期段階を、近い年代と捉える必要がありました。しかし、今回の研究成果により、必ずしもこの2つの種を年代的に近づけて考える必要がなくなり、藤原宮の造営年代について再検討をする余地が出てきました。

瓦の表面に見つけた、ほんのわずかな違いの発見ですが、これまでの歴史の認識に対して再検討を求めることになるかもしれない重要な発見です。研究者の執念が明らかにした、大きな発見と言えるでしょう。

 

【参考文献】石田由紀子・新尺雅弘・中村亜希子 2022「変形忍冬唐草文軒平瓦6647Cの再検討」『奈文研論叢』第3号 奈良文化財研究所

◆変形忍冬唐草文軒平瓦6647Cの話 その1はこちら

◆「飛鳥の考古学2022」こぼれ話(第7回) ―漆で接いだ土器の話はこちら

 

展示ケースで変形にんどうからくさもん軒平瓦を3つ並べて展示している画像

「飛鳥の考古学2022」展示室での展示風景

2023年02月28日(火曜日)

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