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「飛鳥の考古学2022」こぼれ話 ― 変形忍冬唐草文軒平瓦6647Cの話 その5

研究成果の影響1 -生産地の問題 

このことは単に笵が違っていた、という話にとどまりません。瓦の葺かれていた場所(消費地)や焼いた場所(生産地。瓦を焼いた窯は瓦窯と呼ばれます。)に関するこれまでの認識も再検討が必要になってくるかもしれません。Caは藤原宮で使われ、CbCcが本薬師寺で使われたことがわかっています。このうち、CbあるいはCcが奈良県五條市の牧代瓦窯から見つかっていることから、同笵と考えられてきたCaもこの窯で焼かれていただろうという推定をもとに藤原宮に牧代瓦窯から瓦が供給されていた、と考えられていました。しかし、今回の研究成果から、少なくともCa(現・C)について、牧代瓦窯から供給されたと考える必要はなくなりました。

CaCbCcは瓦の製作技法の細かい部分が異なることも、従来から指摘されていました。この違いの原因も今回の研究成果によって、理解しやすくなったと言えるかもしれません。その6へつづく

 

【参考文献】石田由紀子・新尺雅弘・中村亜希子 2022「変形忍冬唐草文軒平瓦6647Cの再検討」『奈文研論叢』第3号 奈良文化財研究所

◆変形忍冬唐草文軒平瓦6647Cの話 その1はこちら

 

三種類の変形にんどうからくさもん軒平瓦の拓本の画像

変形忍冬唐草文軒平瓦6647Cと6647Fa・Fb(旧6647Ca・Cb・Cc)

2023年02月24日(金曜日)

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