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「飛鳥の考古学2020」こぼれ話2 ― 藤原宮から見慣れない瓦が…その2

前回に引き続き、藤原宮大極殿院から出土した瓦のお話です。

今回紹介する軒平瓦は、研究の上では6641型式C種(以下、6641C)と分類されます(図1)。この軒平瓦は脇区を残すもの(図2)と、脇区の上半を削り落としたもの(図3)とがあります。従来、平城宮では脇区を残すものが多く出土し、藤原宮では脇区の上半を削り落としたものが大半でした。このような脇区の違いは、瓦のつくられた時期の違いによるものと考えられてきました。

しかし、2019年度の藤原宮大極殿院の調査では、脇区を残す6641Cが出土しました。今後の調査で、藤原宮でも脇区を残す軒平瓦6641Cが藤原宮でも数多く見つかるようになれば、前回紹介した軒丸瓦6281Bのように、遷都に伴う藤原宮と平城宮の建物の造営過程について、再検討が必要になってくるかもしれません。

今回紹介した瓦はほんの小さな破片です。しかし、詳細に観察するとこれまでの仮説に再検討を迫る可能性を秘めています。私たちは小さな破片にも注意を払いながら調査研究を進めています。

 

【参考文献】

道上祥武・清野陽一2020「藤原宮大極殿院の調査―第200次 4出土遺物 瓦磚類」『奈良文化財研究所紀要2020

十文字健2011『西田中瓦窯』(大和郡山市文化財調査報告書第16集)大和郡山市教育委員会

石田由紀子2010「藤原宮出土の瓦」『古代瓦研究V』奈良文化財研究所

 

◆飛鳥の考古学2020

2021122日(金)~314日(日) ※月曜休館

展覧会の詳細はこちら

 

6641C1_R.jpg

1 飛鳥藤原第200次調査・藤原宮大極殿院出土の軒平瓦6641C

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図2 図1の拓本

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図3 脇区の上半を削り落とした軒平瓦6641C

2021年02月19日(金曜日)

 
 
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