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「飛鳥の考古学2020」こぼれ話1 ― 藤原宮から見慣れない瓦が…その1

 冬期企画展「飛鳥の考古学2020」で展示中の資料のみどころを、数回に分けてご紹介します。1回目・2回目は藤原宮大極殿院から出土した瓦のお話です。

 写真の軒丸瓦は瓦の側面に横方向の筋が見えます。これは縦縄タタキで仕上げた痕跡です。この瓦は研究の上では6281型式B種(以下、6281Bと略記)と分類される文様です。大和郡山市西田中・内山瓦窯の西田中13号窯の操業の最終段階で焼かれたと考えられています。平城宮・京内で出土することから、平城遷都後の時期とみられていました。ところが今回、藤原宮の中心施設である大極殿院から初めてこの瓦が見つかりました。遷都にともなう藤原宮と平城宮の建物の造営過程は、より複雑なものを想定する必要が生じてきました。(つづく)

 

【参考文献】

道上祥武・清野陽一2020「藤原宮大極殿院の調査―第200次 4出土遺物 瓦磚類」『奈良文化財研究所紀要2020

十文字健2011『西田中瓦窯』(大和郡山市文化財調査報告書第16集)大和郡山市教育委員会

石田由紀子2010「藤原宮出土の瓦」『古代瓦研究V』奈良文化財研究所

 

◆飛鳥の考古学2020

2021122日(金)~314日(日) ※月曜休館

展覧会の詳細はこちら

 

縦縄タタキのあとが残る瓦の画像

2021年02月12日(金曜日)

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