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【飛鳥のくらし】奥飛鳥と綱掛神事③ 稲渕の綱掛神事

明日香村稲渕(いなぶち)の綱掛神事は毎年成人の日におこなわれます。行事には、地区住民だけでなく稲渕棚田の棚田オーナーや、見学に訪れた一般の人たちも多数参加します。

男綱(おづな)の制作は、綱を掛ける付近の神所橋のたもとでおこなわれます。棚田から集められた稲藁を、3人がかりで撚(よ)りあわせながら長い綱を作ります。同時に男綱の中心部に吊り下げられる男性の陽物をかたどったものや、竹串にみかんを刺したお供えの製作も進められます(写真1)。いっぽうで、役割を果たした1年前の綱が取り外されます。

男綱自体が完成すると、見学に訪れた人たちも加わって神所橋の上に掛かる勧請橋へ綱を運びます。勧請橋の上で榊や御幣が取り付けられれば(写真2)、あとは綱を掛ける作業です。例年、綱は両岸の木に掛けられてきましたが(写真3)、枯れた片側の木の代わりに2023年から支柱が併用されました。

綱掛の作業が終わった後、神所橋の上で飛鳥坐(あすかにいます)神社(明日香村飛鳥に所在)の神主を招いて祈祷がなされます(写真4)。祈祷の後は、明日香村村長はじめ関係者のあいさつがあり、最後にはみかんのお供えが参加者全員に配布され、和気あいあいとした雰囲気のなかお開きとなります。地域内外の大勢の担い手で成り立っている稲渕の綱掛神事には、雄々しくもにぎやかな印象を受けます。棚田オーナー制度をいちはやく導入した、稲渕の門戸の広さがあらわれているといえるでしょうか。

14回写真コンテストのテーマは「飛鳥のくらし」です。綱掛神事のような行事のほか、風景や物、作業など、「飛鳥のくらし」にまつわる写真を広く募集します。630日(金)まで、みなさまのご応募をお待ちしております。応募方法等の詳細はこちら

 

※棚田オーナー…棚田の一区画をオーナーとして借り上げ、地元インストラクターの手助けを得ながら米づくりをおこないます。

 

長い竹の棒にお札とミカンをさしたお供えの写真

写真1 みかんのお供え

献と書かれた紫の法被を着た男性二人がおづなに榊と御幣を取り付けている写真

写真2 男綱への榊と御幣の取り付け

梯子を使って川岸の木に登りおづなをかけている男性の写真

写真3 第12回写真コンテスト「飛鳥の木」
正三位飛鳥木画卿「大役」奥西恵美子様

雪が積もる中、完成したおづなと飛鳥川に架かるかんじょばしの上で祭事をする神主さんと参加者23人の写真

写真4 第4回写真コンテスト「飛鳥川の導」
従五位写真司「雪中の神事」宮田哲治様

2023年04月25日(火曜日)

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