秋期特別展「よみがえる飛鳥の工房-日韓の技術交流を探る」では、
11月9日(金)に展覧会関連イベントとして「古代の曲物に迫る」を開催します。
このイベントでは、飛鳥時代から現代まで使われる曲物の技術に迫るとともに、曲物の皮綴(と)じ技術をいかした簡単な作品をつくります。
先日、そのイベントで使用する桜の樹皮の採取に行ってきました。今回は、その裏話についてご紹介をします。
古代より曲物を綴じるために使ってきたのは、ヤマザクラの樹皮が中心でした。
イベントで使用したいと思っていたヤマザクラの樹皮は、一般には流通していないため、
県内をはじめ秋田や長野まで、各地に問い合わせては断られ...の繰り返しでした。
どうしよう...と途方にくれた時に、明日香村在住の林業家で、「森あるくらしLab」を運営する久住林業の久住一友さんの存在を知りました。
おそるおそる問い合わせると、久住さんが手入れされている山に、ちょうど伐採予定のヤマザクラがある、とのこと。
祈るような気持ちで現地にむかったところ、美しい樹皮をもつヤマザクラと出会えたのです!!
私たちの樹皮の採取を見守っていた久住さんは、「皮を剥いでもサクラは生きつづけるならば、いっそのこと、
この木は伐らずにこれからの変化を見守りたい」とヤマザクラの伐採を中止、今後もこの木を育て続けることになりました。
今回のイベントでは古代の木製品についても紹介します。現代に比べて森林資源が身近だった飛鳥時代。
当時の木製品を見ながら、飛鳥の森に思いをはせてみるのはいかがでしょうか?
※イベント「古代の曲物に迫る」へのご参加は、事前申込(応募者多数の場合は抽選)が必要です。
応募方法は、飛鳥資料館HPをご確認ください。
◆秋期特別展の詳細、イベントの申込方法はこちら
2018年09月25日(火曜日)