大阪・関西万博開催記念展示「酒と都と須恵器と土師器」
【開催趣旨】
古来、酒は薬として重用されてきました。そのことは、7世紀の飛鳥京苑池で「薬酒」と書かれた木簡が出土していることからもわかります。酒は天皇がおこなうさまざまな祭祀などにも使われました。
奈文研がこれまでおこなってきた平城宮・京・寺院の発掘調査では、酒に関連する遺構や遺物がたくさん見つかっています。とりわけ平城宮跡では、造酒司(さけのつかさ)という酒や酢の醸造をつかさどる役所の跡が見みつかり、古代の酒造りの実態を知るうえで貴重な木簡や甕などの容器も出土しました。また、平城宮跡のみならず、平城京跡からは「酒坏」と書かれた須恵器や土師器もみつかっており、酒器と考えられています。
奈良は国家的な酒造りの"はじまりの地"といえます。大阪・関西万博では、「薬」でもあった古代の酒造りに関する奈文研の研究成果を紹介する機会をえました。このたびの展示は、万博での催事に合わせて開催するものです。
ぜひとも、平城宮の造酒司跡における発掘調査の成果を通じ、いにしえの酒の文化の一端にふれていただければ幸いです。
【会期】
令和7年5月20日(火)~6月15日(日)
※月曜日(祝日の場合は翌平日)
【開館時間】
9:00~16:30(入館は16:00まで)
【会場】
平城宮跡資料館 企画展示室
【主な展示資料】
酒に関連する須恵器・土師器
刻書がある須恵器甕片ほか
【入場料・駐車場料】
無料
【主催】
独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所
【関連イベント】
(1)サテライト展示「造酒司 Sake no Tsukasa」
会期:令和7年5月20日(火)~6月15日(日)
※月曜日(祝日の場合は翌平日)
会場:平城宮跡 遺構展示館(中棟)
入場料:無料
(2)大阪・関西万博 ならWeaving the Future トークセッション「酒文化をつむぐ奈良-現代によみがえる古代酒の魅力-」
日時:令和7年5月29日(木)15:00~15:30
会場:大阪・関西万博 EXPOアリーナステージMatsuri(小ステージ)
参加料:無料 ※万博会場への入場チケットは別途必要です。
出演:
油長酒造 代表取締役 山本長兵衛 氏
陶芸家 末廣 学 氏
奈良文化財研究所 庄田慎矢 研究員
奈良文化財研究所 神野 恵 研究員
備考:復元古代酒の試飲と須恵器おちょこプレゼント(先着50名様)
(3)ギャラリートーク
日時:6月1日(日)、6月8日(日)各日14:00~
会場:平城宮跡資料館 企画展示室
備考:申し込み不要
【お問合せ】
奈良文化財研究所 総務課広報企画係
TEL : 0742-30-6753
FAX : 0742-30-6750