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写真コンテストコラム②-写・飛鳥の甍

現在、当館では飛鳥の甍を「写し」た写真を募集しておりますが、今日は別の「写し」の世界をご紹介しようと思います。この屋根をみて、あっ、と思った方はかなりの建築好きかも?



キトラ古墳の近くに位置する檜前の集落は、重厚な屋根の民家が多く建ち並びます。特に、入母屋屋根をもつ民家では、瓦で囲まれた三角の壁面(破風)を重ねて、まるで城郭か御殿のような立派な外観をもつものも見られます。


今回ご紹介した写真の民家では、屋根の三角の壁面(これを「破風」といいます)に木を縦横に組んだ格子(木連格子)をいれています。多くの民家では、格子をいれずに、そのまま壁の仕上げを見せているのに比べ、凝った造りといえます。


このような木連格子は、城郭建築や書院、御殿などに用いられることが多く、民家ではあまり使用されません。ただ、明日香村のお隣の橿原市今井町にある、重要文化財の今西家住宅では、以下のような木連格子をみることができます。


入母屋の破風を重ね、手前に木連格子を入れたデザイン、よく似ていませんか?茶室の設計では、由緒ある茶室のデザインを模して、新しい茶室を造る「写し」という手法があります。この民家の屋根も、もしかしたら今西家住宅の「写し」かも・・・と想像が膨らみました。


『飛鳥の甍』写真コンテストの募集は7月12日までです。皆様の写した甍の写真のご応募をお待ちしております。

破風を重ねた入母屋屋根の写真
入母屋屋根の図
今西家住宅の木連格子を入れた入母屋の破風

2014年06月30日(月曜日)

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