企画展・特別展

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昭和47年(1972)3月、高松塚古墳で壁画が発見され、日本中に驚きと感動をあたえてから、今年で50年。そのメモリアルイヤーに飛鳥資料館では第13回写真コンテストのテーマを、ズバリ「高松塚古墳」としました。飛鳥の遺跡を代表し、その「顔」ともいえる高松塚古墳と壁画。古墳やその周辺は公園として整備され、市民の憩いの場となっています。そんな現在の高松塚古墳を撮るもよし、高松塚古墳や壁画にまつわる様々な物や事柄を撮るもよし、過去・現在・未来に思いを馳せた、みなさまの自由な発想の作品を募集・展示します。

題材

「高松塚古墳」にまつわる写真

高松塚古墳のある風景のほか、高松塚古墳や壁画にまつわる物や事柄を撮影した作品を募集します。撮影時期は問いません。

講評

昭和47年(1972)3月21日、明日香村平田の高松塚古墳で極彩色の壁画が発見されてから今年で50年の節目を迎えるにあたり、本コンテストのテーマも「高松塚古墳」とし、77点の応募をいただきました。特定の題材を絞り込んでのコンテストとなり、古墳を中心とした風景や公園に集う人々、いきものや景観など実に様々な視点の写真作品を出品頂き、ありがとうございます。 全体としては構図や主題に工夫した作品が多く、審査に苦労いたしましたが、入選作品はいずれも作品作りの意図がよくわかる作品となっています。 入選作品を含めて多くの作品でデジタル撮影からのプリントが出品されていますが、残念なことにプリント品質が良くないものや色調、シャープネスの過剰な作品が散見されました。プリント前にディスプレイで拡大し、作品をよく観察したうえで、プリントがその通りに仕上がっているか確認してみてください。 また、募集要項はA4、四つ切、ワイド四つ切サイズとなっています。それぞれの比率を生かした作品となるように心がけましょう。そのためにはトリミングすることが重要です。ダイナミックさを強調するならば横幅の広いワイドサイズを使用したり、逆に主題を明確にするならば主題を上手く配置した上で思い切ったカットをして四つ切に収めるなど、安易にカメラの画角に近いA4サイズを使用してしまわないことも工夫の一つです。是非チャレンジしてみてください。

入選作品

正一位 飛鳥高松塚太政大臣「冬枯れ」 北好雄 様

正一位「冬枯れ」 北好雄様の写真

受賞コメント
この度の作品「冬枯れ」に対して高い評価を頂きましたことありがとうございます。
歴史的風景写真なので何よりも冬の空気感を大切に心掛けました。

講評
冬枯れの木立に佇む整備された墳丘。園路の造形と木立の配置を上手く処理した構図とともに、寂しさすら感じる空の様子と色調が高評価となりました。奥の木立が暗い空に吸収されるように手前から奥へのグラデーションも美しい作品です。

従一位 飛鳥之民選高松塚太政大臣「悠久」柳敏明 様

従一位「悠久」柳敏明様の写真

7月15 日(金)〜 8月21 日(日)の来館者投票により1位に選ばれた作品です。

受賞コメント
高松塚古墳は、周囲の壁には極彩色壁画、天井には、日、月、星を金箔等で表し、又、星と星を朱線で繋いで星座を表したものがある。 この高松塚古墳が生まれた1300年余り前からこの天の川銀河は現代まで輝き続けている。 何と素晴らしい時間と空間ではないだろうか。 築造された当時は、全く光害の無い素晴らしい世界であった事でしょう。 この悠久の時間を現代の空間として写真で表したいと思い、撮影した作品である。

講評
夜の高松塚古墳と星空を幻想的に写しだした作品です。投票していただいた方からは、「時間を越えて古代と同じ星空を眺めている」、「今も昔も変わらないものがあると実感できる」、「夜の古墳がこんなに美しいのだなと思いました。」など、古代に想いを馳せたという感想が多くみられました。

正二位 飛鳥高松塚左大臣「華やぐ陵」西村康男 様

正二位「華やぐ陵」西村康男様の写真

受賞コメント
この度は、正二位をいただきありがとうございます。発見から50年となる高松塚古墳は、現在も美しく整備されておりいつも感動しております。先人達の造営から1300年は経過したでしょうか。この遺跡を敬う気持ちで、華やかに撮影するために、周辺の春の花を添えてハイアングルでカメラを向けました。足繁く高松塚に通い季節や時間で様子が変わるのが楽しみです。内部の様子は実視すべはありませんが、字高松の地に手を合わせて帰宅した次第です。

講評
園内に咲く水仙の「華」を主題に、整備された墳丘を効果的に配置した構図が素晴らしい作品です。色使い的には黄色から緑色と作品として映えにくい色調ですが、高輝度プリントを使用して鮮やかに仕上げており、プリント方法の選択も含めて高い評価となりました。

正二位 飛鳥高松塚右大臣「鎮魂の丘」西本清照 様

正二位「鎮魂の丘」西本清照様の写真

受賞コメント
この度は、このような賞に選んで頂き誠にありがとうございます。出品は、昨年の飛鳥の木に続き2回目になります。飛鳥には日本を代表する(高松塚古墳)とキトラ古墳があり、どちらも同じ考えから作られた『鎮魂』のための空間作り、其の事から作品名を鎮魂の丘としました。高松塚は飛鳥美人で有名な古墳であり、女性が主役であると思い家内の墳丘を描く姿を僕が撮るという事にしました。 夫婦合作のこの作品で受賞できました事で喜びも二倍になり良い記念となりました。

講評
「鎮魂の丘」である高松塚古墳を訪れる人。様々な目的を持って訪れる人々の日常を切り取った作品です。園路越しに古墳の姿をスケッチブックに収める人物とその先にある墳丘を上手く配置しています。

正三位 飛鳥高松塚画卿「25年前の父と私~高松塚古墳での思い出~」加藤美由紀 様

正三位「25年前の父と私~高松塚古墳での思い出~」加藤美由紀様の写真

受賞コメント
この度は、素晴らしい賞をありがとうございます。 25年前初めて高松塚古墳に会いに行った時の写真です。 テレビや新聞で見ていた高松塚を生で見た感動は今でも鮮明に覚えています。 見ての通りフォトに関して何の技術もありません。高松塚の想いと思い出の勢いだけで応募しました。想いは強いのでただただ嬉しいです。 石川県からは少し遠いですが、また会いに行きます。

講評
父と年頃の娘(ご本人)の微妙な距離感の中に、当時の墳丘に存在した保存施設が見えます。ほのぼのとした記念写真ですが、人物の関係性や空気感とともに古墳の日常を写し出している点が高評価となりました。トリミングを使用して主題を明確にするとさらに良い写真となるでしょう。

正三位 飛鳥高松塚画卿「衣更え」宮田昌子 様

正三位「衣更え」宮田昌子様の写真

受賞コメント
この度は選んで頂きありがとうございます。記念の年を迎える高松塚古墳には足しげく通いました。古墳の周辺には椿、桜、たんぽぽ、ささ百合、くちなし等の花が次々に咲き、それぞれの季節を楽しむことができます。そして、この日は化粧直しをするように丁寧に古墳の草刈りをされているところに出会い、撮らせてもらいました。今回は春へと衣替えをした古墳と、また、古墳を大切に守っておられる皆さんのおかげと感謝しております。

講評
公園整備の日常を捉えた作品ですが、前景の白い花や木立を上手く配置して墳丘とともに上下シンメトリーな構図にまとめています。草刈りでの整備作業という「衣更え」の主題を明確にするとともに四つ切でのトリミングを上手く使った点が高評価となりました。

正三位 飛鳥高松塚画卿「雲湧く高松塚古墳」山本弘 様

正三位「雲湧く高松塚古墳」山本弘様の写真

受賞コメント
この度は選んで頂きありがとうございます。この日の高松塚古墳は珍しい型の雲が次々とあらわれ、不思議な感じを覚えました。

講評
高いコントラストで立体感のある墳丘から、タイトル通りまるで煙が上がるかのように雲が湧き立っている情景的な作品です。余計な物を排除してズバリタイトル通りの主題を明確にした点が構図とともに高評価となりました。

正四位 写真司

  • 正四位「慰霊祭」岡本路子様の写真
    「慰霊祭」岡本路子 様
    講評
    高松塚古墳の被葬者の遺骨を納めた、納骨堂での慰霊祭を切り取った一枚です。古墳公園の日常では意外に知られていない場面ですが、こうした日常を納めた写真も非常に貴重でなものです。プリント品質に少し難があります。作品作りの際にはプリンターをメンテナンスしましょう。
  • 正四位「実家の蔵から...」林誉大様の写真
    「実家の蔵から...」林誉大 様
    講評
    整備された高松塚古墳の現在を落ち着いた構図にまとめた作品です。タイトルの意図は「蔵から出てきた古い写真」という事を表現するため、モノクロプリントにいくつかの技法を取り入れて作品として仕上げている点が高評価となりました。
  • 正四位「人々の暮らしと共に」上田由美子様の写真
    「人々の暮らしと共に」上田由美子 様
    講評
    高松塚古墳周辺には田畑が広がる原風景。その中の日常風景を望遠レンズで切り取った作品です。望遠圧縮効果で非常に田畑が接近した効果が得られ、今回の応募作品には少なかった縦位置で上手く切り取った一枚です。
  • 正四位「届け・共生の願い」吉村誠様の写真
    「届け・共生の願い」吉村誠 様
    講評
    歴史が根付いた高松塚古墳の公園内でシャボン玉に願いを込める子供。主題が明確で子供さんの視線や表情も良く、非常にまとまりのある作品です。四つ切を選択してトリミングを上手く使うとさらに良い構図になるでしょう。

正五位 若手部門(10代・20代対象)「歴史は日射しで色あせない」吉川航平 様

正五位「歴史は日射しで色あせない」吉川航平様の写真

講評
村内の電柱にデザインされた「飛鳥美人」。身近な飛鳥の風景に「こんなのあった!」と思わされた1枚です。新たな視点を切り取った作品です。四つ切を選択して左側をトリミングするとさらに視点が強調される作品となるでしょう。

応募について

応募締切 2022 年6 月30 日(木)必着
展示期間 2022 年7 月15 日(金)〜 9 月11 日(日) 
(※月曜休館 ただし7月18(月祝)・8月15日(月)は開館、7月19日(火)・8月16日(火)は休館 ※8月15日(月)は無料入館日
来館者投票期間 2022 年7 月15 日(金)〜 8 月21 日(日) 
(※月曜休館 ただし7月18(月祝)・8月15日(月)は開館、7月19日(火)・8月16日(火)は休館 ※8月15日(月)は無料入館日
応募作品審査 奈良文化財研究所 写真室、景観研究室、飛鳥資料館 学芸室

 

協賛/後援

協賛

岡村印刷工業株式会社、コクヨマーケティング株式会社、NPO法人明日香の未来を創る会 明日香村稲渕棚田保全会 、両槻会

後援

文化庁、国営飛鳥歴史公園、明日香村、明日香村文化協会、朝日新聞社 寺社文化財みらいセンター、 読売新聞、毎日新聞奈良支局、奈良新聞社、NHK奈良放送局、 近畿日本鉄道株式会社

正一位・・・1名 岡本印刷工業株式会社 ミストグラフⓇ による受賞作品のプリント・額装(協賛者提供)

従一位・・・1名 飛鳥資料館オリジナルカメラストラップ(協賛者提供)
※来館者直接投票最多得票者 

正二位・・・2名 飛鳥資料館オリジナルグッズ

正三位・・・3名 堀内カラーファインアート・プリントクーポン

正四位・・・4名 コクヨプロフェッショナル写真用紙(協賛者提供)

正五位(若草賞)・・・1名 コクヨプロフェッショナル写真用紙(協賛者提供)
※10代・20代対象の若手部門

入賞者副賞

飛鳥資料館官位・官位授与証・写真額装・展示図録一年分・副賞

応募者全員の特典

応募作品を飛鳥資料館で展示!
(基本的に全作品を展示する予定ですが、応募多数の場合は、全作品を展示できない場合もありますので、ご了承ください。)

注意事項

  • A4、四つ切、ワイド四つ切サイズのいずれかにプリントし、飛鳥資料館へ(締め切り6月30日必着)郵送してください。
  • 応募作品は一人1点まで。
  • 応募票は必要事項を記入し、写真の裏にマスキングテープなどで簡単に剥がれるもので貼り付けてください。
  • 応募作品は応募者自身が撮影創作したものに限ります。
  • 応募作品に人物の顔が大きく写る場合は、被写体の許諾を得てください。
  • 過去に写真コンテスト等で入賞・入選した作品は除きます。
  • 応募して頂いた写真の著作権は作者に帰属しますが、無償で自由に使用する権利が当研究所に帰属します。
  • 応募作品は返却できませんので、ご了承ください。
  • 入賞作品につきましては、フィルムもしくはデジタルデータの提供をお願いします。
  • 撮影にあたってはマナーを守り、他人に迷惑をかけないようお願いします。

結果発表について

飛鳥資料館HP、Facebookで入賞作品を発表します。
入賞者の方へは、飛鳥資料館から封書にてご連絡いたします。

写真コンテストのよくある質問

写真コンテストに関連して、よくお問い合わせのある質問をまとめましたので、応募の際に参考にしてください。

Q. 1人が応募できる作品の点数は?

A. 1点です。

Q. 昔撮った写真でもいいの?いつ撮影したらいいの?

A. 過去に撮影された写真でもかまいませんが、ぜひこの機会に、飛鳥を巡って、新しい視点で飛鳥の景色を
 見直してみてはいかがでしょうか?四季折々、朝昼晩、お好きな時間帯に撮影してください。

Q. 受賞作品を選ぶポイントがよくわからないのですが・・・

A. 審査会では、「飛鳥の歴史と文化の表現」「飛鳥の新たな魅力の発見」を重視しています。
 著名な観光地や文化財を撮影した写真ならば、どこかで見たような写真ではなく、
 光の捉え方や撮影視点を工夫してみてはいかがでしょうか?
 観光案内にのらない場所でも、飛鳥地域の人々の営みや歴史への思いが感じられる風景を撮影した写真は、
 当コンテストの意図に沿うものとして高く評価します。
 また、従一位は、来館者投票で選ばれます。来館者の心をつかむインパクトのある作品が好まれるようです。

お問い合わせ

住所 〒634-0102 奈良県高市郡明日香村奥山601
電話番号 (0744)54-3561
FAX番号 (0744)54-3563
E-mail info.shiryokan_nabunken☆nich.go.jp (☆を@に変更してください)
 

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