企画展・特別展

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飛鳥時代の都から、農村へとうつりかわってきた飛鳥の地。
ここでは、四季折々、さまざまな祭がおこなわれています。
自然に祈り、自然に感謝する村の祭。
飛鳥時代の神事や歴史を偲ぶ祭。
飛鳥の魅力をほりおこし、にぎわいを生み出す祭。
人々の営みや祈りとともに受け継がれてきた祭は、
飛鳥の歴史と今の社会を映し出しています。

第11回の写真コンテストでは「飛鳥の祭」をテーマに、
飛鳥の歴史と今を写す、祭の写真を募集します。
皆様のご応募をお待ちしております。

題材

祭を題材とし、歴史と人々の営みが一体となった飛鳥の魅力が伝わる写真

講評

飛鳥の祭をテーマにした今回の写真コンテストでは、コロナ禍により多くのお祭が中止や規模縮小となり、撮影にも制約が多い中、65点の作品が寄せられました。出品いただいた皆様に御礼申し上げます。
出品作は力作揃いで、審査にあたり大変苦労しましたが、飛鳥の暮らしや歴史を感じられる祭を的確に捉えた作品を中心に入賞作品を選びました。
いずれの入賞作品もテーマを意識した作品となっています。特に「祭」という非日常の空間を撮影者の感性でうまく表現された作品には高い評価が集まりました。
一方で、構図の面で惜しい作品がありました。応募作品の多くが横位置の写真でしたが、「広がりを意識した横位置」「奥行きと空気感を意識した縦位置」という写真表現の使い分けをすることで、さらに作品の意図が明確になる場合があります。ぜひ作品作りの参考にしてください。

来年度の第12回写真コンテストのテーマは「飛鳥の木」。皆様の御応募をお待ちしております。

入選作品

正一位 飛鳥祭太政大臣「準備中」 西村充康 様

正一位「準備中」西村充康様の写真

受賞コメント
今年、1月13日に明日香村稲渕で行われた「男綱の綱掛け神事」の準備風景の一コマです。張りかえるための新しい綱は、この日この場所でここに住む人々の手によって造られ、また神主さんや地元の人々により神事の準備が進められていきます。 ここに暮らす人々の強い絆を感じます。これからもこの行事が末永く続いていくことを心より願っています。

講評
祭の準備を進める地元の方々の動きを切り取った作品です。主題が明確で撮影技術も的確な点が評価されました。モノクロームな色合いの中に、お供えの蜜柑が美しく映えます。川の流れも意識して縦位置での奥行き感を出すと作品の深みが増すでしょう。

従一位「霧の舞台」森本善彦様

従一位 飛鳥之民選祭太政大臣「霧の舞台」 森本善彦様の写真

10 月16 日(金)〜 11 月15 日(日)の来館者投票により1位に選ばれた作品です

受賞コメント
この度は、来館者投票においてお選びいただいた皆様方に心より感謝申し上げます。 この写真は2011年12月14日に撮ったもので、おりしも『飛鳥アートプロジェクト2011』の一つとして『霧の彫刻』と題して石舞台を霧で包むというイベントが催されていました。 陽が落ちて空色と霧の色が一体となるのを待ちました。 千数百年前から飛鳥に佇む古代アートと現代アートとのコラボという雄大で幻想的な姿に浸ったひと時でした。

正二位 飛鳥祭左大臣「伝統のまつり」岡田直文 様

正二位「伝統のまつり」岡田直文様の写真

受賞コメント
この度は栄誉ある賞を頂き、ありがとうございます。 飛鳥のおんだ祭りで、お多福の恥ずかしそうな一瞬の所作を切り取りました。 やわらかい光線のおかげで、良い表情が撮れました。 五穀豊穣、子孫繁栄の祭りが、これからも末永く続くことを願っています。

講評
おんだ祭のキーポイントとなるお多福、その恥ずかしげな所作の一瞬を切り取った作品です。かんざしの色味が落ち着いた配色の中に彩りを添えます。背景のぼかし等を上手く使って非常に主題が明確であり、引き算を上手く使った点が評価されました。

正二位 飛鳥祭右大臣「御田植神事」山本弘 様

正二位「御田植神事」山本弘様の写真

受賞コメント
五穀豊穣と子孫繁栄を祈る古来よりの伝統行事を楽しんだ一日でした。

講評
御田植神事での稲穂を求める人々の手。拝殿の人物や動きを捉えた祭のハイライトを切り取った点が評価されました。四つ切りを選択し、左右をトリミングして引き算するとさらに主題が明確になります。

正三位 飛鳥祭画卿「女綱をなう」竹本晴行 様

正三位「女綱をなう」竹本晴行様の写真

受賞コメント
この度の受賞はたいへんうれしく、このような機会を与えていただいたことに感謝します。 この作品は、今年1月に栢森での綱掛け神事に係る女綱作り作業を撮影させてもらったときのものです。地区の人達が伝統に基づき縄をなっていた時、たまたま付近の畑で草を焼く煙が立ち込め良い雰囲気を出してくれました。

講評
地域に根差した祭を連綿と担ってきた人々の営みが垣間見える作品です。立ち上る煙と建物内に差し込む光を上手く切り取っています。構図を工夫して差し込む光によって出来る人物の影をもう少し入れるとより印象的な作品になるでしょう。

正三位 飛鳥祭画卿「祭りの女(ひと)」田中嘉宏 様

正三位「祭りのひと」田中嘉宏様の写真

受賞コメント
今回は撮影に行く機会がなく、過去の写真から応募させて頂きましたが、にもかかわらず選出頂き誠にありがとうございました。この作品は、飛鳥光の回廊2016に許可を頂き撮影したものです。「露店の賑わいの中、ひときわ輝きを放つ祭りの女(ひと)一期一会を垣間見たこの一瞬が好きだ。」

講評
祭という非日常の空間を演出する露店。その賑やかな風景を上手く表現されている点が評価されました。光の使い方も印象的です。もう少し左にカメラを振って立ち並ぶ露店と賑わいの広がりがあれば、より祭りの風景が明確になります。

正三位 飛鳥祭画卿「神炎」西村康男 様

正三位「神炎」西村康男様の写真

受賞コメント
この度は、正三位をいただき誠にありがとうございました。 大和の風物詩として、脈々と受け継がれてきたとんど祭に参加させてもらいました。暗くなると地区の人々が三々五々集まって参りました。清酒で式典のあと点火。炎が盛期のころ長老とおぼしげき方が前にたたずみ無事を祈る仕草に火の神を感じました。少年のころ体験したこの祭事、このような感動を得ることはありませんでした。この先も続けられることを願うばかりです。

講評
とんどの風景を手前に人物のシルエットを配置してコントラストが際立つよう作品に仕上げた点が評価されました。ワイドレンズなどを使用して火の粉の先が夜空に消えるグラデーションを表現するとさらに印象的な作品になるでしょう。

正四位 写真司

  • 正四位「アッチー!!イヤ熱くないゾー」上井勝様の写真
    「アッチー!!イヤ熱くないゾー」上井勝 様
    講評
    神事での所作、動きとそれを見る人々の賑わい。熱い湯に手を付ける一瞬を上手く切り取っている点が評価されました。今年は密集する祭は見られませんが、いずれこのような日常が戻ることを願います。
  • 正四位「祭りの日」北正子様の写真
    「祭りの日」北正子 様
    講評
    賑やかな祭とは一線を画した、むしろ寂しさをも感じさせる眺めが、地域の人々の生活に根付いた祭の存在を伝えます。少し傾いた御神燈を飛鳥らしい傾斜地と組み合わせて上手く切り取った、構図の工夫と視点の面白さがあります。
  • 正四位「ポーズをとる案山子」楠田光作様の写真
    「ポーズをとる案山子」楠田光作 様
    講評
    棚田風景の広がりを、カメラを構えた人とそのモデルとなる案山子の間に配置した工夫が感じられます。撮る・撮られるの関係を、さらに撮影者の視点で切り取る面白さも評価されました。
  • 正四位「飛鳥つなぐ光の道」山本明子様の写真
    「飛鳥つなぐ光の道」山本明子 様
    講評
    非常に幻想的な祭の空間。境内に配置された光と和傘の配置で上手く塔に視線を誘導する構図の使い方が評価されました。さらに高さなどアングルを工夫することで、より印象的な作品になるでしょう。

正五位 若草賞

 該当なし

応募について

応募締切 2020 年10 月5 日(月)必着
展示期間 2020 年10 月16 日(金)〜 12 月6 日(日) 
(※月曜休館 ただし11月23日(月・祝)は開館 ※11月3日(火・祝)は無料入館日
来館者投票期間 2020 年10 月16 日(金)〜 11 月15 日(日) 
(※月曜休館 ただし11月23日(月・祝)は開館 ※11月3日(火・祝)は無料入館日
応募作品審査 奈良文化財研究所 写真室、景観研究室、飛鳥資料館 学芸室

協賛/後援

協賛

岡村印刷工業株式会社、コクヨマーケティング株式会社、NPO法人明日香の未来を創る会、両槻会

後援

文化庁、国営飛鳥歴史公園、明日香村、一般財団法人明日香村地域振興公社、朝日新聞社寺社文化財みらいセンター、読売新聞奈良支局、毎日新聞社奈良支局、奈良新聞社、NHK奈良放送局、近畿日本鉄道株式会社、

正一位・・・1名 旅行券5万円分(協賛者提供)

従一位・・・1名 飛鳥資料館オリジナルストラップ(協賛者提供)
※来館者直接投票最多得票者 

正二位・・・2名 飛鳥資料館オリジナルグッズ

正三位・・・3名 ファインアート・プリントクーポン

正四位・・・4名 コクヨプロフェッショナル写真用紙(協賛者提供)

正五位(若草賞)・・・1名 コクヨプロフェッショナル写真用紙(協賛者提供)
※10代・20代対象の若手部門

入賞者副賞

飛鳥の稲渕の棚田の新米(協賛者提供)・飛鳥資料館官位・官位授与証・写真額装・展示図録一年分

応募者全員の特典

応募作品を飛鳥資料館で展示!
(基本的に全作品を展示する予定ですが、応募多数の場合は、全作品を展示できない場合もありますので、ご了承ください。)

注意事項

  • A4、四つ切、ワイド四つ切サイズのいずれかにプリントし、飛鳥資料館へ(締め切り10月5日必着)郵送してください。
  • 応募作品は一人1点まで。
  • 応募票は必要事項を記入し、写真の裏にマスキングテープなどで簡単に剥がれるもので貼り付けてください。
  • 応募作品は応募者自身が撮影創作したものに限ります。
  • 応募作品に人物の顔が大きく写る場合は、被写体の許諾を得てください。
  • 過去に写真コンテスト等で入賞・入選した作品は除きます。
  • 応募して頂いた写真の著作権は作者に帰属しますが、無償で自由に使用する権利が当研究所に帰属します。
  • 応募作品は返却できませんので、ご了承ください。
  • 入賞作品につきましては、フィルムもしくはデジタルデータの提供をお願いします。
  • 撮影にあたってはマナーを守り、他人に迷惑をかけないようお願いします。

結果発表について

飛鳥資料館HP、Facebookで入賞作品を発表します。
入賞者の方へは、飛鳥資料館から封書にてご連絡いたします。

写真コンテストのよくある質問

写真コンテストに関連して、よくお問い合わせのある質問をまとめましたので、応募の際に参考にしてください。

Q. 1人が応募できる作品の点数は?

A. 1点です。

Q. どこで撮影したらいいの?飛鳥とは?

A. このコンテストでは、飛鳥地域として、明日香村を中心に橿原市・桜井市・高取町などの一部も含めた範囲を想定しております。
 大和三山や奥飛鳥、藤原京も対象にはいります。

Q. 昔撮った写真でもいいの?いつ撮影したらいいの?

A. 過去に撮影された写真でもかまいませんが、ぜひこの機会に、飛鳥を巡って、新しい視点で飛鳥の景色を
 見直してみてはいかがでしょうか?四季折々、朝昼晩、お好きな時間帯に撮影してください。

Q. 受賞作品を選ぶポイントがよくわからないのですが・・・

A. 審査会では、「飛鳥の歴史と文化の表現」「飛鳥の新たな魅力の発見」を重視しています。
 著名な観光地や文化財を撮影した写真ならば、どこかで見たような写真ではなく、
 光の捉え方や撮影視点を工夫してみてはいかがでしょうか?
 観光案内にのらない場所でも、飛鳥地域の人々の営みや歴史への思いが感じられる風景を撮影した写真は、
 当コンテストの意図に沿うものとして高く評価します。
 また、従一位は、来館者投票で選ばれます。来館者の心をつかむインパクトのある作品が好まれるようです。

お問い合わせ

住所 〒634-0102 奈良県高市郡明日香村奥山601
電話番号 (0744)54-3561
FAX番号 (0744)54-3563
E-mail info.shiryokan_nabunken☆nich.go.jp (☆を@に変更してください)
 

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